虚血性心疾患
病気の概要
虚血とは、組織や細胞に血液が十分に供給されていない状態のことです。虚血性心疾患とは、心臓で虚血が生じることで起きる疾患の総称です。心筋梗塞や狭心症も虚血性心疾患のひとつです。
動脈硬化や加齢などが原因で、心臓に酸素と栄養素を供給する血管(冠動脈)が狭くなったり、けいれんを起こしたりすることで生じます。
症状について
疾患や状態によって個人差がありますが、胸全体が押さえつけられるような圧迫感や痛みを生じるケースが多いです。心臓の背中側やみぞおち周辺の痛みや全身に冷汗をかくこともあります。痛みが胸の周りから肩や首、あご、歯などへ広がる場合もあります。
押さえつけられるような胸の痛みに加えて、顔面が蒼白になる、冷汗、吐き気、息切れ、呼吸困難などをともなうことがあります。
痛みは、心筋梗塞の場合20分以上、狭心症の場合15分程度続く傾向があります。
検査について
運動負荷心電図、冠動脈造影CT、冠動脈造影検査、心筋血流シンチグラフィ、心臓超音波検査、心電図などを行います。
治療
治療には大きく分けて「薬物治療」、「カテーテル治療」、「バイパス手術」があります。
カテーテル治療では、手首や足の付け根の動脈からカテーテル(細くて柔らかいチューブ)を挿入し、詰まった血管を内側から押し広げ、血流を再開します。急性心筋梗塞や狭心症では、病院到着後90分以内の血流再開が求められていますが、当院ではほとんどの症例で60分以内を達成しています。
バイパス治療は、胸を開き、狭くなった血管の先に新たな血管をつないで迂回路をつくり、血液の流れをつくります。当院では、従来のバイパス治療はもちろん、患者さまの状態にあわせて、低侵襲手術(手術によってできる傷の大きさや痛みをできるだけ和らげることにより、患者さまの負担を軽減する手術)であるMICSによる冠動脈バイパス術を行っています。
病気の予防
動脈硬化を防ぐため、生活習慣の見直しが大切です。適度な運動とバランスの良い食事を心がけてください。喫煙や飲酒、ストレスなども原因となります。
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