あんべがわるい時に ~ケガ・病気ガイド~ 体が痛い、調子が悪い...そんなときに病院に行ってよいのか、どの科を受信したら良いかわからない、などの不安はありませんか?米盛病院の医師がそんな不安に役立つように疾患についてお答えしています。受診の際にお役立てください。 あんべがわるい時に ~ケガ・病気ガイド~

骨粗鬆症

病気の概要

  • 骨の強度は「骨密度」と「骨質(骨の微細構造)」によって決まります。骨粗鬆症は骨の強度の低下により、骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。日本の推定患者数は、1280万人(女性:約980万人、男性:約300万人)といわれています。
    骨量は20歳前後にピークとなり、50歳前後から低下するため、骨粗鬆症リスクは加齢によって高くなります。特に女性は、閉経により急激に骨量が低下するため注意が必要です。男性の場合は、生活習慣(飲酒、喫煙、運動不足など)が原因となるケースが多いとされます。

症状について

  • 骨粗鬆症が進行すると、骨がスカスカになり、もろく折れやすくなります。重症になると、くしゃみなどの衝撃でも背骨などを骨折することがあります。
    骨折しやすい部位は、脚の付け根(大腿骨近位部骨折)、背中~腰(胸腰椎椎体骨折)、肩周囲(上腕骨近位部骨折)、手首(橈骨遠位端骨折)などです。

  • (脚の付け根の骨折)大腿骨近位部骨折
    転倒などで起き、骨折直後から股関節の痛みと、自分で脚を動かせなくなるなどの症状がみられます。痛みや治療のために長期間寝たきりになってしまうと、筋力の低下や認知障害、心肺機能の低下などになることもあります。
  • (背中~腰の骨折)胸腰椎椎体骨折
    骨粗鬆症で最も多い骨折です。軽い日常動作で骨折することもあります。最近では、「いつのまにか骨折」ともいわれるように、3分の2の方が無症状のため骨折に気づかず、2回目の骨折を起こして受診したときに、医師から初回の骨折を指摘されることもあります。
  • 以下の症状がある場合は、早めの検査をお勧めします。
    ・背中や腰が痛むことがある(脊髄や神経の圧迫による)
    ・背中が曲がる
    ・以前より身長が縮んだ
    ・便秘や食欲低下(腰が曲がることで、心臓・肺・消化器などにさまざまな症状を起こす)

検査について

  • 代表的な検査として、骨密度測定があります。
    検診では、定量的超音波測定法(QUS)を用いることが多いですが、米盛病院では、より精密で治療効果の評価もできるX線吸収測定法(DXA)法を行っています。そのほかに、各部位のX線(レントゲン)検査、骨折リスク評価ツール、血液検査などを行っています。
    骨密度測定についてはこちら

【ご参考】

治療

薬物療法、食事療法、運動療法、生活習慣の改善を行います。
薬物療法では、骨密度検査や血液検査の結果にもとづき、患者さんにあった薬剤を選択します。骨の健康に必要な栄養素であるビタミンDは多くの高齢者で不足状態にあると推定されているため、薬剤に併せて処方することが多いです。
薬剤には、毎日内服するもの以外にも、週1回や月1回内服するもの、錠剤ではなくゼリー状のもの、注射製剤など、選択肢が広がっています。

米盛骨粗鬆症リエゾンサービス委員会

  • 当院では、米盛骨粗鬆症リエゾンサービス委員会を立ち上げ、多職種のスタッフが連携して骨粗鬆症に関するさまざまな活動を行っています。

    患者さまやご家族とコミュニケーションを図り、自己注射の練習や転倒予防のための運動、栄養指導などを実施しています。退院後は、骨粗鬆症外来で継続的なフォローを行っています。

病気の予防

カルシウム(緑黄色野菜、魚介、乳製品など)やその吸収を助けるビタミンD(サケ、サンマ、きくらげ、干し椎茸など)を含む食品を摂りましょう。また、年齢や状態にあわせた無理のない運動を継続することが大切です。
バランスのよい食生活や適度な運動に加え、症状がなくても、定期的に骨密度検査を受けるようにしましょう。骨量が低下する50歳前後が目安となりますが、女性は閉経を機に急激に低下するため、より気をつけましょう。

  • 監修:長谷 亨

    整形外科/関節グループ/骨粗鬆症センター長

お腹や頭が痛い、急なケガ、病院に行ったほうが
良いか迷ったときなどお電話ください。
24 時間救急相談ダイヤル
TOP