大腿骨近位部骨折(大腿骨頚部骨折・大腿骨転子部骨折)
病気の概要
転落や転倒などの大きな衝撃が大腿骨近位部(おおまかに言うと脚の付け根の部分)に加わることにより起こる骨折です。大腿骨近位部は凹凸のある曲がった構造をしているため、転倒や転落の時に外力が集中しやすいという特徴があります。また、骨粗鬆症により骨が弱くなった高齢女性に発生することが多く、受傷したら要支援・要介護の原因となり得ます。また、骨折後の生命予後が悪くなることも明らかになってきました。大腿骨近位部骨折は、折れた場所によって関節内骨折(いわゆる大腿骨頚部骨折)と関節外骨折(転子部骨折)の2つに分かれます。
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出典:日本整形外科学会パンフレット
症状について
転倒や転落後に太ももの付け根の部分が痛み出し、立つことや歩くことができなくなります。この骨折は高齢者に多く発生しますので、認知症などがある場合は発見が遅れることがあります。
検査について
X線(レントゲン)検査で診断を行います。
治療
主に手術療法としてピンやスクリューを使って固定する内固定(骨接合術)、あるいは人工骨頭置換術を行います。高齢者の場合は、ベッドでの長期安静に伴う廃用症候群(からだの機能が大幅に低下したり、精神状態に悪影響を及ぼしたりすること)を防ぐため、できるだけ早期に手術を行い、術後早期からリハビリテーションを開始することが望ましいとされています。
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人工骨頭挿入
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近位髄内釘挿入
病気の予防
骨粗鬆症の治療によって骨強度を改善すれば骨折のリスクが低くなります。
もし骨強度が低くても、外力が加わらなければ骨折のリスクが低いです。大腿骨近位部骨折はその多くが転倒・転落によって発生します。そのため、その予防には骨粗鬆症の予防・治療とともに転倒予防が挙げられます。
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監修:長谷 亨
整形外科/関節グループ/骨粗鬆症センター長
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