大腿骨骨幹部骨折
病気の概要
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太ももの骨である大腿骨は体重を支えるとても頑丈な骨です。大腿骨骨幹部骨折は、その太い骨が折れるほどの大きな衝撃(転落や交通外傷)により生じるもので、50代くらいまでの青壮年世代の方が多いようです。そのため、その他の骨折や臓器損傷を合併していることも少なくありません。また、高齢者の転倒などでも生じることがあります。
症状について
太ももに強い痛みがあり歩行が困難です。また、大腿骨に付着している筋肉の作用により骨折部が大きくずれて、明らかな変形がみられます。大腿骨には多くの血液が流れており、骨折部位から出血することから、貧血を起こすこともあります。また、その状態を長く放置してしまうとショック症状(脳や臓器などが酸素不足におちいり、生命にかかわる大変に危険な症状)を起こすことがあります。
検査について
X線(レントゲン)検査で骨折の有無を確認します。交通事故等の高エネルギー外傷(大きな力が体に加わって起こるケガ)の場合は、全身のCTを撮影して他のケガがないか確認することもあります。動脈損傷が疑われる場合は血管造影も用いることがあります。
【ご参考】
治療
骨の中に金属の芯棒を通してスクリューで固定する方法(髄内釘法)が第一選択と考えられます。ただ、骨の内部に十分な太さの芯棒が通らない場合は、プレートを用いて固定することもあります。
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髄内釘固定
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プレート固定
病気の予防
骨粗鬆症の方の場合は少し転んだ程度でも骨折することがありますので、例えば、家庭内で転倒に結びつくものを排除する、座って行えるように日常用品の配置を考える、といった対応をとるのも予防のひとつです。
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監修:山下 学
整形外科/外傷グループ
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