変形性股関節症
病気の概要
-
股関節は、ボール状の大腿骨骨頭と、骨盤側でそのボールの受け皿の役割を果たすお椀型の寛骨臼が組み合わさって構成されています。変形性股関節症は、加齢によって軟骨がすり減ったり、生まれつき股関節のかみ合わせが悪かったりすることで、この関節の組み合わせに不具合が生じる病気です。40歳以上の女性、日常的に重いものを持ち運ぶ作業をしている方によく見られます。
加齢や肥満、日常的に重いものを取り扱うなど原因となる元々の病気が明らかでないものを「一次性股関節症」といい、関節の形成に異常がある、ケガなど元々病気があり、そこから発症するものを「二次性股関節症」といいます。日本では二次性股関節症が大半を占めます。
症状について
発症当初は、立ち上がり時や歩き始めに痛みを感じる程度ですが、進行するとその痛みが強くなり、しゃがめない、足の爪切りがしにくいなど日常生活に支障をきたすようになります。ひどくなると、痛い方の脚が短くなります。
検査について
X線(レントゲン)検査を行います。症状が進むと関節の隙間が狭くなる、股関節周辺の骨が異常を起こしてトゲ状に変形するなど、より明らかな変化が見られます。必要に応じてCT、MRI撮影なども行います。
【ご参考】
治療
まず保存療法として生活指導、運動療法、薬物療法などを行い、痛みを軽減しながら症状の進行を予防します。左右の脚の長さの差を感じている場合は、補高装具(短い方の靴底に厚みのあるものを足す)を使用して頂くこともあります。症状が良くならない場合は手術療法として骨切り術、寛骨臼形成術、人工股関節置換術などを行います。術式は、病気の進行状況や年齢などを考慮して選択されます。
病気の予防
変形性膝関節症の発症を防ぐには、日常的に運動を行い筋力を増強・維持することや体重が増えすぎないようにコントロールしたり、重いものを持ち運ぶ際は注意したりすることが重要です。
-
監修:市川 理一郎
整形外科/関節グループ/人工股関節センター長
症状が似ているケガ・病気
よくあるご質問
-
手術の必要性は、年齢や活動性によって変わります。詳しくは、医師に相談してください。
良いか迷ったときなどお電話ください。