脳卒中
病気の概要
脳の血管が何らかの原因で狭くなったり、ふさがったり、破れたりすることにより、突然の痛みや、からだがうまく動かせない、皮膚や五感(味覚、聴覚、嗅覚、視覚、触覚)に異常を感じる、めまい、ろれつがまわらない、認知能力の異常などさまざまな神経症状が起きる状態ことをいいます。
脳血管が狭くなる、ふさがることにより、血がまわらなくなる虚血性疾患と、脳血管が破れて血がもれることによる出血性疾患に分けられ、虚血性疾患には脳梗塞、出血性疾患には脳内出血、くも膜下出血があります。
症状について
痛み、筋肉の機能異常、からだや五感に異常を感じるほか、めまいや言葉の理解や会話、字を書くとが難しくなる、からだの感覚に異常を感じる、からだが麻痺する、意識がはっきりしない状態になる、頭痛や首に痛みを感じることもあります。
検査について
一般的な血液検査・胸部エックス線検査・心電図などのほかに、CT、MRI、MRA、脳血管造影など頭部の画像検査を行い、どのタイプの脳卒中か、脳のどこに異常があるかなどを調べます。
治療
脳梗塞の発作が起きてから治療開始までの時間は、症状や損なわれた機能の回復に大きな影響を与えるため、発症後できるだけ早く治療を開始します。
脳梗塞の治療は、血管の詰まりや血栓を溶かす薬物治療が基本となりますが、発症直後では命を救うのが目的のため、手術が行われることがあります。脳がむくみ、脳以外も圧迫されて機能が失われるのを防ぐため、一部分の頭蓋骨をはずして圧力を脳の外に逃がす開頭外減圧手術が行われることがあります。また、血管内にカテーテルを入れて、詰まった血栓や塞栓を取り除く手術を行うこともあります。
脳出血が起こった場合、原因や出血部位と症状の重さなどにより治療法が決まります。高血圧が原因となった脳出血では、血腫やその周囲のむくみで頭蓋内の圧力が上がったり、血腫の周囲がそれ以上損傷を受けるのを防いだりする治療が行われます。
血腫が大きく、手術できる部位に起こった場合には、血腫を取り除く手術を行うこともあります。血腫が小さく意識もはっきりしている場合や、血腫の大きさ、部位によっては手術は行わず、内科的治療が主になります。
くも膜下出血は命の危険も高く、また再出血を防ぐためにも、すぐに専門機関で治療を開始することが重要です。くも膜下出血と診断されたら、まずは十分な安静と、痛みをとり血圧を下げる治療が行われます。その後ただちに、再出血、再破裂の予防のため、動脈瘤に対してクリップという器具で動脈瘤の根元をはさみ、動脈瘤への血流を阻止するネッククリッピング術とよばれる外科治療や、カテーテルと呼ばれる細い管を太ももの付け根などの血管から挿入して、その管を用いて動脈瘤内にコイルを詰め込んで内部をふさぐコイル塞栓術などの血管内治療が行われます。
病気の予防
脳卒中を引き起こす一番の原因は、高血圧です。そのほかにも、糖尿病、脂質異常症、心房細動などがあります。
脳卒中の予防には、それぞれの病気の治療を続けることに加えて、飲酒・禁煙・運動・食事などの生活習慣の見直しをして、健康的な生活を送ることが大切です。
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