憩室ができただけでは特に症状はありませんが、便が詰まり細菌感染などが原因で炎症を起こすと、下腹部の痛みや圧痛、発熱などがあらわれます。また、周囲の臓器との癒着、穿孔（せんこう：臓器に穴が開いてしまうこと）、膿瘍（のうよう：組織が局部的に融解し、膿がたまった状態）、腹膜炎などが生じることがあります。そのまま放置すると、敗血症という命に関わる症状につながる恐れがあります。

血液検査やCT検査、超音波（エコー）検査などで診断します。また、大腸がんなどほかの病気の有無を確認するために、内視鏡検査を実施することもあります。

【ご参考】

• 画像検査（CT、MRI、内視鏡検査など）について
• 生理機能検査（心電図、超音波など）について

炎症の程度が比較的軽い場合は、安静や抗菌薬の投与、絶食などの食事管理などで症状が軽快する場合があります。腸管に穿孔や膿瘍が生じるなど重症化している場合は、ドレナージ治療（カテーテルなどで膿などを体外に排出する）や、大腸やまわりの臓器を切除する緊急手術が必要になる場合があります。