あんべがわるい時に ~ケガ・病気ガイド~ 体が痛い、調子が悪い...そんなときに病院に行ってよいのか、どの科を受信したら良いかわからない、などの不安はありませんか?米盛病院の医師がそんな不安に役立つように疾患についてお答えしています。受診の際にお役立てください。 あんべがわるい時に ~ケガ・病気ガイド~

下肢閉塞性動脈疾患(LEAD)

病気の概要

下肢の血管の動脈硬化が進行し、血管が細くなったり、つまったりするなど、正常な血流を保てなくなる病気です。

※2022年に『末梢動脈疾患ガイドライン』が改定され、下肢閉塞性動脈疾患はLEADと称されるようになりました。従来から用いられてきた下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)は、LEADの大部分を占めるもので、動脈硬化性LEADとも表現されます。

動脈硬化とは

  • コレステロールなど血液中の脂質が動脈内にたまり、動脈の弾力性・柔軟性がなくなり、もろくなった状態のことです。動脈硬化はさまざまな疾患を引き起こす原因となります。

症状について

症状は以下の4段階に分けられます。(Fontaine分類)

段階 症状
初期 足の冷たさやしびれを生じる。
第2期 歩いた時に、足のしびれや痛み、冷たさを生じる。一定の距離を歩くと、足が痛くなり歩けなくなるが、しばらく休むと、再び歩けるようになる(間けつ性跛行)。
米盛病院Webマガジン SmaHapi「その症状○○かも!?|間欠性跛行」もご覧ください。
第3期 何もしていない状態でも足に痛みを生じる(安静時疼痛)。
第4期 血液が行き届かなくなった足に治りにくい潰瘍(傷)ができる。壊死し(細胞が死んでしまう)、下肢の切断が必要となる場合もある。2週間経過しても傷が治らない時は血流の評価を行うことが望ましいです。
※左右に動かしてご覧ください

検査について

血圧脈波検査(ABI)、造影CT検査、MRIなどを行います。

治療

治療には大きく分けて「運動療法」、「薬物治療」、「カテーテル治療」、「バイパス手術」があります。血流が少なくならないようにすることが重要です。

  • 運動療法
    歩くことによって血流の改善を行います。間欠性跛行の治療法として期待されます。(医師の指導のもとに行ってください)
  • カテーテル治療
    手首や足の付け根の動脈からカテーテル(細くて柔らかいチューブ)を挿入し、詰まった血管を内側から押し広げ、血流を再開します。挿入するデバイスとして、バルーンやステントが用いられます。血栓(血のかたまり)が詰まり血流が悪くなっている場合は、カテーテルを用いて血栓を除去し、血流を再開させます。
  • バイパス手術
    詰まったり狭くなったりした血管の先に新たな血管をつないで迂回路(バイパス)をつくり、血液の流れを確保します。

病気の予防

動脈硬化が原因のため、適度な運動(15分以上のウォーキングや軽い運動など)とバランスの良い食事、禁煙など生活習慣の見直しを心がけてください。
下肢閉塞性動脈疾患(LEAD)の患者さまは、下肢にかかわらず、全身の動脈硬化が進んでいる可能性があります。脳血管疾患や心疾患の原因となるリスクが高いため、検診などで全身を詳しく調べ、状態を把握しておくことをおすすめします。

  • 監修:尾辻 秀章

    循環器内科/重症虚血肢・心腎血管センター長

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