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2019.03.25(最終更新日:2020.03.23) Dr.崔の ユーラシア大陸横断記

Vol.2 微笑みの国

 翌日は朝7時頃に目が覚めた。眠い。当然である。バンコクは暑期を迎えており、そんな折に冷房もないファンだけの部屋で熟睡出来る訳がないのである。おまけに隣では昨日夜遅くまで歓楽街で我が世の春を謳歌していた韓国人(崔鍾元:チェジョンウォン)が鼾をかいている。そう、あまり言いたくはなかったが、私は彼とタクシーのみならずベッドもシェアする事になったのだった。予め断っておく。私は同性愛者ではない。私だって1つベッドを伴にするのなら柔肌の女性がいいに決まっている。昨日は疲れていたし、あまりにもカオサンの宿の混雑振りがすごいので、部屋は1つしか空いていないと宿のオニイチャンに言われても、他を探すのが面倒でその部屋に決めてしまったのだ。ちなみにその部屋というのは、大きなダブルベッドが面積の大半を占めているという代物で、さっきも言ったが冷房はない。天井で大きな扇風機が生暖かい風を掻き回しているだけである。壁も薄く、隣に泊まっているカップルの声もまる聞こえだ。トイレ・シャワーは宿泊者みんなの共用で、料金は1泊1人125バーツ(約375円)という安さである。宿泊者の多くは日本人バックパッカーだった。
 さて、目が覚めてまず思った事は、「今日は何をしようか?」という事である。
日本にいた時とは違って、毎日の決められた仕事はない。しなければならない事もない。いや、いくつかはしなければならない事もあるのだが、しなければしないで済む程度の事であり、絶対に今日しなければならないというレベルのものではないのだ。子供の頃、学校が終わって「今日は何をして遊ぼうか?」と心躍らせていた気持ちと似ている。何物にも縛られない解放感、1日を好きなように過ごせる自由、これらは旅の醍醐味である。
 さて、私はしばらくこの旅の計画を練っていたのだが、むくりと起きたジョンウォンと朝飯に出掛けた。近くにあるタイ人経営の屋台と食堂の中間のような店で、歩道にせり出したテントの下に惣菜を並べていて、好きなものを指差して白ご飯の上に乗せてもらう。私は白ご飯の上に、豚の角煮と煮卵を乗せてもらい、あっさりとしたスープをいただいた。それでたったの70バーツ、200円ぐらいに過ぎない。安ければそれでよいと思っている訳ではないが、美味しい料理を鱈腹、しかも安く食べられるのならば、願ったり叶ったりではないか。
食事を終えて満腹になり、幸せな気分で宿に戻ると、同宿の女の子がソンクラン中は店や行政機関は休みだと教えてくれた。敢えてしなければならない事はイランビザの取得ぐらいだが、大使館が休みであるならば仕方がない。私はジョンウォンと一緒に祭りに参加してみる事にした。
昼前から人々が歩行者天国になっている道に集まり出し、柄杓や水鉄砲、あるいはホース等を使って通行人に水を掛ける。

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