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2020.11.24(最終更新日:2020.12.07) Dr.畑の 焼酎入門

第9回 鹿児島の人は本当にお酒が強い?

米盛病院の非常勤医師であり、焼酎マイスターの資格も持つDr.がお届けする鹿児島ならではの焼酎雑学。

皆様、こんにちは。
宇治徳洲会病院救命救急センター長(米盛病院非常勤医師)の畑です。

鹿児島を離れて早半年が過ぎ、寂しい日々を過ごしております。
何が一番寂しいかというと、この時期、関西のスーパーマーケットでお酒コーナーを覗いてみても、焼酎の「新酒」が置いていないことですね。
秋も深まってくると、鹿児島ではどんどん焼酎の新酒が発売されます。世界的に見ても「蒸留酒」を「新酒」で飲む習慣は日本にしかないと聞いています。
さらに言うなら、鹿児島にしかないと言えるかもしれません。
いや~、鹿児島人って本当に呑んべえですよねぇ。

 

今回のテーマは「鹿児島の人は本当にお酒に強い?」というお話です。
関西人の私から見ると、本当に鹿児島人ってお酒に強いというイメージがあります。
しかし、本当なのでしょうか?

 

「アルコール耐性遺伝子」の獲得

今年(令和2年)の2月、NHKスペシャル「食の起源」で「酒」がテーマになっていたのをご覧になった方もおられると思います。副題に『飲みたくなるのは 進化の宿命!?』と書かれていました。
ここだけを見ると、「そうか、自分が酒飲みなのは、進化の結果なんだ!」と思ってしまいますが、そうではありません(笑)。人間が進化すると「酒飲み」になるということでは決してありませんから、誤解しないでくださいね。

人間は進化の過程でアルコールを分解することのできる「アルコール耐性遺伝子」を獲得しました。常に飢えと闘っていた大昔、我々の祖先は腐りかけた(アルコール発酵した)果物を食べることによって生き延びることができたのです。
この時、アルコール耐性遺伝子を持っていないものたちは酔っ払ってふらふらになり、外敵に襲われて命を落としたことでしょう。
人類の祖先はかなり早い段階でアルコール耐性遺伝子を獲得したようです。すなわち、最初に世界中に広がったのが、お酒に強い人類です。

その後、理由は定かではありませんが(仮説はいろいろあるようです)、中国大陸の一部にアルコール耐性遺伝子を持たない「下戸(げこ)」種族が現れました。早く酔っ払う方が都合が良かったのでしょうか?
そして、中国大陸から今度はその下戸たちが勢力を拡大して行くことになります。一方、日本に最初に住んだ人類は当然お酒に強い人種でした。その後、下戸たちが、渡来人として中国から渡って来たのです。

 

南北に行けば行くほどお酒に強い?

では、渡ってきた下戸たちは日本のどこに住み着いたのでしょうか?
それは、九州北部から始まり、瀬戸内を通って当時日本の中心であった近畿へ広がって行きました。図はそのイメージを表したものです。渡来人たちが移動した道が見えてきたでしょう?

そして、元々日本にいた原住民たちは南と北に別れて残ったのです。鹿児島人がお酒に強いのは本当だったのですね。アルコール耐性遺伝子の保有率は何と全国第2です!
ただし、その理由は「進化した」からではなく、「原住民系だったから」でした(笑)。

では、関西生まれの私はどうでしょうか?
私の遺伝子検査の結果は、なんとアルコール耐性遺伝子をしっかり保有した「原住民系」でした(笑)。皆さんも、試しに遺伝子検査を受けられたらいかがでしょうか?

 

さあ、今日も飲むぞ~!

次号は「焼酎で本当に消毒できる!?」です。お楽しみに!

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焼酎マイスター Dr.畑 

宇治徳洲会病院 救命救急センター長 / 米盛病院 非常勤医師 畑 倫明

焼酎と温泉をこよなく愛する医師。追求心が強すぎて、好きなだけでは飽き足らず、「温泉ソムリエマスター」に続き、このたび「焼酎マイスター」「焼酎唎酒師」も取得!

 

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