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2021.09.06(最終更新日:2021.10.07) Dr.畑の 焼酎入門

第13回 焼酎粕は液体だった!?

米盛病院の非常勤医師であり、焼酎マイスターの資格も持つDr.畑がお届けする鹿児島ならではの焼酎雑学。

 

皆さん、こんにちは。
相変わらず新型コロナウイルスに振り回される日々が続いていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

私の今いる宇治徳洲会病院では5月後半から毎週1000人以上の皆さんにワクチンを接種しています。ワクチンが早く多くの方に行き渡り新型コロナウイルス感染が終息に向かうことを願っています。

 

今回のテーマは「焼酎粕は液体だった!?」です。

 

焼酎粕と酒粕

皆さんは、焼酎粕というものをご存じでしょうか?
私は関西人なので、『焼酎粕』ではなく、『酒粕』というものをよく知っています。

酒粕とは、日本酒を造る過程でできる「搾りかす」のこと
関西ではスーパーなどで袋に入った板状の酒粕が普通に売られているのですが、鹿児島では見たことがありません。

さらに、関西では酒粕を使った料理がいろいろあります。寒い時期にいただく『粕汁』は体がとても温まって本当に美味しいですよ。酒粕につけ込むお漬け物『粕漬け』も大好きです。
私が子どもの頃には、火であぶった板状の酒粕に砂糖をちょっとつけておやつとして食べたりしました。私はつい最近まで、粕汁や粕漬けは全国的に食べられているものだと思い込んでいたのです。

しかし、考えてみれば鹿児島に酒粕なんてあるわけないですよね。でも、『焼酎粕』も見たことがありません。どうなっているのでしょうか?

 

焼酎粕とは

焼酎や日本酒は原料の芋や米を発酵させて造るのですが、造り方の最後の工程が大きく異なります。

日本酒の場合は、発酵させてできた「もろみ」を圧搾濾過して、液体のお酒と個体の酒粕に分けます。
一方、焼酎の場合は、もろみに熱を加えてアルコールを蒸発させ、蒸発させたアルコールを集めて「焼酎」にするのです。これを蒸留と言います。
焼酎のことを勉強する前は、当然、焼酎粕も固形だと思っていました。もろみから液体成分を除けば、どろっとした半固形になるだろうと…。いやはや、全くの素人でした(笑)。

現在、大半の焼酎メーカーは、もろみの中に高温の水蒸気を吹き込む方法で蒸留しています。アルコールが蒸発する代わりに、吹き込んだ水蒸気は水となって残り、最終的に残る焼酎粕は最初より量が増えることになるのです。1本の焼酎を造るのに2本の焼酎粕が発生すると言われています。
では、その焼酎粕はその後どうなるか、皆さんは知っていますか?

 

焼酎粕の活用

昔は、焼酎粕を海洋投棄していたこともあるようです。しかし、現在、海洋投棄は禁止されています。焼酎粕の多くは、メタンガスプラントに入れてメタンガスを発生させ、エネルギー資源として活用されます。

また、一部は家畜の飼料や農作物の肥料として再利用が進められているようです。さらに、焼酎粕は、クエン酸・アミノ酸・ミネラルなどをたっぷり含んでいるので、「もろみ酢」と言う名前で、健康食品としても売られていますが、あまり売れてはいないようですね。

焼酎粕について、知らないことばかりでした。次から焼酎を飲むときは、この1杯の焼酎を造るために、2杯の焼酎粕ができているんだなぁなどと思いを馳せながら飲んでみるのもいいかもしれません。

次号は「鹿児島は25%、なぜ宮崎は20%」です。お楽しみに!

 

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焼酎マイスター Dr.畑 

宇治徳洲会病院 救命救急センター長 / 米盛病院 非常勤医師 畑 倫明

焼酎と温泉をこよなく愛する医師。追求心が強すぎて、好きなだけでは飽き足らず、「温泉ソムリエマスター」に続き、このたび「焼酎マイスター」「焼酎唎酒師」も取得!

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