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2024.11.14(最終更新日:2024.12.26) Dr.畑の 焼酎入門

第32回 韓国焼酎って何者?

米盛病院の非常勤医師であり、焼酎マイスターの資格も持つDr.畑がお届けする鹿児島ならではの焼酎雑学。

 皆様、こんにちは。宇治徳洲会病院高度救命救急センター長の畑です。皆様、いかがお過ごしでしょうか。記録に残る限り最高に暑かった夏が終わり、秋本番ですね。秋と言えば、そう! 焼酎新酒の季節です。スーパーなどの店頭には焼酎の新酒が並び、各地で新酒祭りも開催されます。私の現在住んでいる京都では考えられない光景ですね。羨ましい限りです。

 

韓国焼酎って何者?

さて、今日のテーマは「韓国焼酎って何者?」ですが、皆様は韓国焼酎を飲んだことがありますか? 韓国ドラマが好きな方なら、小さなショットグラスで韓国焼酎「ソジュ(漢字だと焼酒)」を楽しむ姿を目にされたことがあるかもしれませんね。実は、鹿児島大学の焼酎マイスター養成コースでは韓国焼酎のことも学ぶのです。今回は韓国焼酎ソジュのことをお話ししましょう。

 

韓国焼酎のさっぱり感はどこから?

  日本でもよく目にする韓国焼酎といえば、JINROやチャミスルですよね。JINROは癖がないさっぱりしたお酒ですし、チャミスルにはフルーツフレーバーの付いたものもあり、コッテリ辛い韓国料理とは相性抜群です。では、この韓国焼酎の「さっぱり感」はどこからきたものなのでしょうか? その秘密はこのDr畑の焼酎入門第22に書かれています。そこでは「焼酎の甲乙って何?」という特集をやりました。皆様は覚えておられるでしょうか? 文明開化の華やかなりし明治の終わりに西洋からもたらされた「連続式蒸留器」で作られたのが焼酎甲類でした。蒸留を繰り返すことでアルコールの純度は高まり、さっぱりした淡麗な焼酎になります。皆様はもうお分かりですね。今、日本で普通に売られている韓国焼酎は連続式蒸留焼酎なのです。

 

日本の連続式蒸留焼酎が独自に進化

  連続式蒸留器が日本にもたらされた明治の終わりに、もう一つ重大なことが起こります。それが日韓併合です。韓国が日本の植民地となったことで、韓国にも酒税法が敷かれ、それまで韓国の家庭などで作られていた伝統的な単式蒸留焼酎は姿を消し、日本から持ち込まれた連続式蒸留焼酎が広まったのです。その後、連続式蒸留焼酎は韓国で独自の進化を遂げ、現在の韓国焼酎になりました。現在の韓国焼酎のルーツは明治の終わりの日本だったのですね。びっくりです!

 韓国には「爆弾酒」と言われる飲み方がありますが、ご存知でしょうか? ビールに韓国焼酎を加えて飲む飲み方です。ものすごくアルコール度数の高いビールとも言えるでしょう。その名の通り、危険な香りがしますね。興味のある方は、トライしてみてください。私は、一切責任を持ちませんが笑。

次回は、「芋焼酎があるのも火山のおかげ?」です。お楽しみに!

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焼酎マイスター Dr.畑 

宇治徳洲会病院 救命救急センター長 / 米盛病院 非常勤医師 畑 倫明

焼酎と温泉をこよなく愛する医師。追求心が強すぎて、好きなだけでは飽き足らず、「温泉ソムリエマスター」「焼酎マイスター」「焼酎唎酒師」に続き、「日本酒唎酒師」も取得!

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