2024.12.25(最終更新日:2024.12.25)
桜島大規模噴火に備える
鹿児島のシンボルであり、鹿児島県民の生活とも密接に関わる桜島。
世界有数の活火山であり、100年以上溜まり続けたマグマにより大規模な噴火がいつ起こってもおかしくありません。
改めて桜島の大規模噴火による影響や、日頃の備えについてご紹介します。
もしも桜島が大規模噴火したら・・・
火山灰による被害は風向きにより大きく変わります。風下側では噴火後2~3日間で堆積厚が50cm以上になる可能性があります。
噴出物による影響
島内では大きな噴石が飛来し、人や建物に被害を及ぼします。
東の風の場合、鹿児島市の市街地に火山灰や軽石が最大1m堆積し、ライフラインの途絶や、家屋への閉じ込め、呼吸障害といった様々な影響を及ぼすおそれがあります。
地震や津波の併発
大きな地震や津波を併発し、家屋の倒壊・浸水のおそれがあります。
大正噴火時と同等の地震が発生した場合、鹿児島市内震度6弱、鹿児島港周辺で1.8mの津波発生が想定されています。
マグマや火山灰の噴出による影響
火砕流や溶岩流が島内に被害を与える可能性があります。
安永噴火時の現桜島小池町では海底噴火により十数mもの津波が襲来しました。
噴火・地震への日頃の備え
情報取得手段の複数確保
テレビ・ラジオや鹿児島市のホームページ・LINEアカウント、あんしんネットワーク119、気象庁のホームページなどで防災情報を複数の手段で入手できるよう確認しましょう。
3日以上~1週間ほどの備蓄
水、食料、生活用品(マスク・体温計・毛布)など、ライフラインの停滞に備え各家庭最低3日分の備蓄と、噴出物から頭を守るためのヘルメット、火山灰で視界不良になった際の懐中電灯など避難時と避難場所で1~2泊できるくらいの備えをしましょう。
避難行動の確認
噴火警戒レベル4以上になり、避難が必要となる場合は鹿児島市から緊急速報メール・防災行政無線・消防車両・テレビ・ラジオ・SNSなどで、被害が予想される地域へ自主避難が呼びかけられます。噴火が起こる前に発令された避難情報に応じて、軽石・火山灰の降下が及ばない地域へ広域避難をしましょう。
広域避難時は、大混雑・渋滞が予想されます。事前に避難行動を確認し、車両の場合は1世帯1台、電車が使用出来る場合は電車での避難も検討しましょう。
大噴火の予兆・起こりうる危険の把握
大規模噴火の前には、噴火の1年~数カ月前から地震を1日に何度も感じる、地鳴りが聞こえ、桜島島内では井戸水や温泉の水位・温度の変化、新しい噴気・地温の上昇・地割れ、草木の立ち枯れなどの予兆が見られると言われています。予兆と思われる異常現象を発見した場合、鹿児島市市民課や消防、警察等へ連絡を。
大噴火の予兆だけでなく、大噴火後に起こりうる危険を正しく知り、備蓄品の準備や避難方法などを確認して備えましょう。
地域の取り組み
2021年から八幡校区と京都大学が協働し、減災を目指した模索が進んでいます。桜島大規模噴火時の被害の理解や、鹿児島市が指定する避難道路や施設の視察など、計10回のワークショップが重ねられてきました。取り組みの成果は、鹿児島市長への防災計画の見直しについての中間提言や、桜島噴火災害への理解促進を目的としたリーフレットとして広く地域の方々に共有されています。
2024年12月7日には「鹿児島桜島火山防災市民会議」が発会し、当院からも1名が委員として参画。八幡校区外からの地域も本会へ参加し、より広域にわたる活動が予定されています。
<参考>
- 知る・備える・行動する” 桜島の大規模噴火” ~その時、あなたはどう動く? (鹿児島市/ 動画)
- ~大規模噴火に備えよう~もし、いま桜島で大正噴火級の大規模噴火が発生したら…(鹿児島市)
- 桜島火山ハザードマップ(鹿児島市)
- 桜島広域火山防災マップ(国土交通省九州地方整備局)
- 桜島 令和の日本に刻一刻と迫る1914・大正噴火以来の大規模噴火(八幡校区/ 京都大学桜島防災ワークショップ)
- 参考1~3 鹿児島市HP
- 参考4 国土交通省九州地方整備局大隅河川国道事務所

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