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2026.02.04(最終更新日:2026.02.06) 医療のお話

米盛病院が実施する脊椎疾患の先進治療

患者さんお一人おひとりの状態を丁寧に見極め、身体への負担をできるだけ抑えた先進治療をご提案します。

【監修】米盛病院 整形外科 脊椎グループ

 

1.より正確・安全なロボットサポート手術

Cirq(手術支援ロボットアーム)

 このロボットの主な役割は、手術中にインプラント(スクリューなど、骨に埋め込み不安定な部分を固定したり変形を矯正したりする器具)を、計画通りに正確な位置に配置するのを支援することです。
ナビゲーションで決定されたスクリューを打つべき位置へ、Cirq のロボットアームが正確に導きガイドを固定します。
 医師はこの固定されたガイドを通してスクリューを打つことが可能となり、特に難易度の高い脊椎手術において、これまで以上に安全で精密な手術が行えるようになりました。Cirq は首の骨(頚椎)の手術にも使用できるため、様々な脊椎疾患治療での活用が期待されています。

「Cirq(サーク)」とは脊椎の手術をサポートするロボットのことです。九州で初めて導入しました。

自走式の3D X 線撮影機 「シアティックムーブ」を 日本で初めて導入。主に 脊椎疾患の手術において活躍しています。

 

2.直径 8ミリの低侵襲治療

FESS(完全内視鏡下脊椎手術)

画像提供:リチャードウルフ株式会社

 直径8 ミリの脊椎内視鏡システムを用いて行う、現在最も身体への負担が少ない脊椎手術の一つです。皮膚の切開は8 ~ 10 ミリ程度と非常に小さく、筋肉や骨をなるべく傷
つけずに済むため、手術後の痛みが軽く、回復が早いのが特徴です。これにより、入院期間は従来の7 ~ 10 日程度に比べ、約4 日と短く抑えられ、早期の日常生活への復帰が
期待されます。

 

3.骨粗しょう症性椎体骨折の新たな選択肢

① VBS(椎体ステントを用いた経皮的椎体形成術)

高齢化に伴い増加する骨粗しょう症性椎体骨折(OVF)に対する比較的新しい手術方法です。従来のBKP(バルーンを膨らませた空間にセメントを注入)との最大の違いは、
骨折して潰れた椎体の内部で、骨セメントを注入する前にステント(金属の網状の筒)を留置する点です。このステントは、バルーンで椎体の変形を整復した後に体内に残されるので、整復した形を維持したままセメント充填を可能にします。VBS の目的は、骨折椎体を固定して、体を動かすことで生じる痛みを改善し、日常生活動作(ADL)を速やかに回復させ、そして椎体が再び潰れてしまうのを防止することです。

①患部にバルーンカテーテルを挿入 
②バルーンを膨らませて患部を整復後、ステントを留置する 
③バルーンを抜いた後にセメントを注入
④セメントが固まることで患部を補強

 

② Fenestrated screw( セメント注入型椎弓根スクリュー)

骨粗しょう症や腫瘍などで骨強度が低下した脊椎を固定・安定化するための医療器具です。ネジの中の空洞から骨セメントを注入し、骨の中で固めることで、セメントが強固に固定されます。これにより高齢者などに懸念されるインプラントの緩みや破損を防ぎ、手術の確実性を高めることが期待されます。

 

4.痛みを緩和する治療

SCS(脊椎刺激療法)

 長引く慢性的な痛みに対する治療選択肢の一つです。薬物療法や神経ブロックなどで十分な効果が得られない、体幹や手足の慢性難治性疼痛などが主な対象となります。この治療では、脊髄を覆う膜の外側に細い電極(リード)を挿入し、微弱な電気を流すことで慢性的な痛みを和らげることを目的としています。電気を発生させる刺激装置は目立たないように皮膚の下に植え込まれ、脊椎手術後の下肢痛などにも効果が期待されています。

 

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