SmaHapi(スマハピ)まわりの人たちの笑顔のために。緑泉会Webマガジン。

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2019.03.26 徒然音楽 解体新書

Vol.1 「ディスコミュージックブーム」

 僕がまだ独身なのは、別れた彼女が忘れられないからではなく、きっと音楽のせいだろう。
 ハンサムボーイと言われた幼少期、孤高の天才と言われた思春期、オッサンと言われた青年期。いつからかなんて分からない程、長い間音楽への片思いを続けている。ましてや、家系で唯一の男。このままじゃ家名存続の危機だと言うのは置いとけないけど、一旦置いといて。
 親族や先祖に顔向けできない子孫として、恥を忍んで生きています。ごめんなさい。そんな注ぐ愛の対象を間違えた男の戯言「徒然音楽解体新書」。しばし、お付き合いください。

 さて、いつの世も色んなブームが誕生しては去って行きます。ブームとは複数の事象が絡んで、作り上げた結晶と言えます。例えば昨年よく耳にした「バブル」。平野ノラはじめ、お笑い界だけでなく、これも1つのブームとして誕生しました。そんなバブルブームを誘発する1つのブームが、音楽業界でも誕生していました。それが「ディスコミュージックブーム」。
 ディスコミュージックといえば80年代~90年代のバブル期にブームになりました。ディスコ世代の諸先輩方が、ブイブイ言わせジュリ扇振り回してボディコンで踊り狂った当時モノのディスコチューンも大好物なのですが、今回は2010年代のディスコミュージックブームを紐解いていきます。

 ヒットチャートではEDM(Electronic Dance Music)が席巻していた2010年。EDMのイケメンDJやトラックメイカーの莫大なギャラが大きな話題になっていたり、熱狂的なファンで溢れる会場はEDMブームの象徴となっていました。
 そんな頃、アンダーグラウンドシーンではソウルやファンクなどディスコチューンに火がつき始めていましたが、弱火でトロトロ状態。燃え上がるには燃料が足りていない。そんな中、フレンチハウスのヘルメット野郎2人組、ダフトパンクがグラミー賞を受賞した”Get lucky”を発表し大爆発!! この”Get lucky”という曲を聞いたことない方は是非聞いてほしい。おそらく「ああ、これか!」となるはず。
 2013年の曲なのにファンキーな70年代~80年代フレイヴァに仕上がっている。しかもボーカルはファレル・ウィリアムス。間違いなく踊らせにきているし、ディスコチューンでオーバーグラウンドを揺さぶるには十分すぎる。
 ダフトパンクの凄いところは古臭いレトロ感を出しながらも、躍らせる音作りができるところ。ハウスやテクノと言われるジャンルに属していながらも、ブラックミュージックのファンクエキスとグルーヴを兼ね備えているのは他に例をみません。ダフトパンクは2014年グラミー賞でノミネートされた5部門全て受賞するという快挙を達成。この時のダフトパンクのライブパフォーマンスが、もはやこの世の物とは思えない程の素晴らしいショーだったのは、ご覧になった方なら分かるだろう。ゲストにスティーヴィー・ワンダー、ナイル・ロジャース、オマー・ハキムなど、ソウルやディスコチューン好きなら泣いて喜ぶ面々が演奏している…。当時のグラミー賞のパフォーマンス映像を是非ともチェックしてほしい。
 その後続々とヒットチャートにはディスコチューンがランクインし始め、ブルーノ・マーズの「Treasure」や「Uptown funk」、ファレル・ウィリアムスの「Happy」などヒットタイトルが登場し、ディスコリバイバルに至ったのです。
 日本でも2013年にAKB48のディスコチューン「恋するフォーチュンクッキー」がメガヒットし、今でもスナックのカラオケの履歴を見たら2ページ目くらいには必ず見つけられるくらい根強い人気があります。

 世はディスコチューン一色のアッツアツの2015年、僕の中でバズった「Tuxedo」というユニットがアルバム「Tuxedo」をリリースしました。アルバムにディスコを詰め込んだような、シンセサウンドで80年代のフレイヴァを香らせつつも、現代版にブラッシュアップされた作品。確かな耳をお持ちのディスコ世代から、まだまだ踊り足りないキッズまで一同に首を振りたくなる1枚。この「Tuxedo」というユニットは、白人ながら70sソウルを体現するメイヤー・ホーソーンと天才的プロデューサーであるジェイク・ワンの2人が織りなすユニット。
 メイヤー・ホーソーンは、2009年にレジェンドレーベル「Stones Throw record」からデビューし、巷の噂をかっさらった実力派シンガー。相方のジェイク・ワンは、スヌープドッグ、50セント、ドレイク、ケンドリック・ラマーなどのヒットチューンを手がけるレジェンドプロデューサー。
 彼らのアルバム「Tuxedo」から、リコメンドソングを挙げるとするなら、ラストを飾る“Number One”! 90年代にHIPHOPで育った方々、この曲聞いたらビビビっと来るはず! そう、あの「Snoop doggy dogg」の1stアルバム「DOGGY STYLE」に収録された“Ain’t no fun”をサンプリングした1曲!
 このサンプリングという手法は、日本で言うところのカバーに近いんですが、カバーより自分の色を出せるので、オリジナルにグッと近くなります。どっかで聞いたことある曲だな~って思っていたら、サンプリングネタが超有名曲だったり、サプライズを増幅させる手法ですね。例えるなら、洋式トイレをサンプリングしてウォシュレットを作るみたいな…。違うかな…? 違うか…? まあ、ニュアンスが伝わればいいか…。

 そんなこんなで気付かないうちに音楽業界ではディスコリバイバルが起きており、世間でのバブルブームと相まって大きな波となり一時代を築くことになりました。しかもなんと、あの伝説のディスコ「マハラジャ」も六本木、名古屋、大阪、祇園、と復活を遂げて、連日大盛り上がりを見せているらしいですよ。当時を知らない世代でも、是非踊り狂ってほしいものです。
 国内では平野ノラのおかげで、荻野目洋子のディスコチューン、“ダンシング・ヒーロー”が再燃し、某高校のダンス部が踊ったことにより、聞いたことのなかった世代にも浸透していきました。僕らのようなバブルを知らない世代の、当時への憧れや妄想、カルチャーへの興味がブームを加速させていったのでしょうね。

おやすみBGM “Le freak”/ Chic

(米盛病院院内広報誌:2018年春号より)

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