SmaHapi(スマハピ)まわりの人たちの笑顔のために。緑泉会Webマガジン。

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2020.07.20 INTERVIEW ~気になるあの方にお話聞きました~

「かごしま茶の魅力をもっと伝えたい」 山口 雄真さん

「お茶の一番の魅力は、ほっと一息付けて、そして心が落ち着く感覚が得られることです」。そう話すのは、鹿児島市で製茶・販売を営む『有限会社 みのる園茶舗』の三代目、山口雄真さん。本業のかたわら、日本茶インストラクターとして、かごしま茶の普及と※1リーフ茶のおいしさを伝える活動を積極的に行っていらっしゃいます。山口さんに、お茶の魅力などについてお話をお伺いしました。

 

「日本茶インストラクター」取得

 鹿児島市南栄にある鹿児島県茶市場で、製品になる前の荒茶を仕入れ、喜入にある自社の工場で仕上げ加工を行うのが主な仕事です。工場ではまず茶葉の成形・分別を行い、火入れ、冷却、ブレンドなどを経て製品へと仕上げていきます。お茶の目利きも大事な仕事。厳選した茶葉のみを仕入れるために、現在はその感覚も磨いているところです。
 お茶に対する理解を深めるために今年の3月、「日本茶インストラクター」という資格を取得しました。試験は年に1回。お茶の歴史であったり栽培方法であったり、あるいは茶葉に含まれる化学成分などに関する試験に合格すると次は実技試験に進みます。 恥ずかしい話ですが、自分は3度目の正直で合格しました。結構難しかったですね(笑)。

 

二代目で終わるのは惜しい

 2016年から今の仕事に携わり、今年の夏で丸4年になります。以前は東京で他の仕事に就いていました。転職しようかどうか悩んでる時期に、ちょうど会社の二代目である父と二人でご飯を食べに行く機会がありました。父に将来のことを聞かれて、そこで初めて跡を継ぐべきかどうか考えるようになりました。それから1年ほど悩みましたが、お客様に支えられて60年以上続いている会社を、父の代で終わらせるのはもったいないと思い始めたのが、鹿児島に帰るきっかけになりました。

 

多くの失敗の中で喜びを感じる

 お客さんから「あのお茶おいしかったよ」と直接言っていただけた瞬間は、お茶屋冥利に尽きます。時には店舗にも立って接客をさせていただくのですが、初めて買われたお客様がまた買いに来てくださった時などに、やりがいを感じますね。
 お茶は嗜好品なので、お客様によって好みがそれぞれ違います。それだけに焙煎温度やブレンドには細心の注意を払います。お茶の味を口で説明するのは難しいですが、おいしいかごしま茶をできるだけ多くの方に飲んでいただきたいという思いは信念として常に持っています。
 お茶屋に限ったことではないと思いますが、できなかったことができるようになる瞬間は本当に感動します。お茶を製品にする工程の一つひとつで試行錯誤を繰り返していますが、自分の思い通りに「バシッ」とはまることがたまにあって、それがモチベーションにつながっています。お茶のことを全然知らない状態で東京から帰ってきたので、多くの失敗を繰り返しながら現在に至っています。父は「背中を見て覚えなさい」というタイプなので、失敗することもありましたが、その分成功した時は感動がありました。そんな時にいつもお茶の奥深さを感じます。

 

お茶は味良し、健康に良し

 かごしま茶で全国的にもポピュラーなのは知覧茶。知覧茶は深蒸し製法で作っていて渋みが少なく甘いのが特徴です。市区町村単位では、知覧がある南九州市が生産量全国第一位ですが、まだまだそのブランド力を全国に発信できていない部分もあるので、鹿児島のお茶業界が一丸となってPRに努めていかなければならないと思っています。
 お茶はその味もさることながら、近年ではその効果についても注目されています。まずはリラックス効果。お茶に含まれているテアニンという成分がリラックス効果を生み出すと言われています。このテアニンという成分は、低温で入れると抽出されやすいという特徴があります。これからの暑い季節にぴったりの水出し茶で飲んでいただくのがおすすめです。次に免疫力のアップ。最近では、エピガロカテキンガレートというお茶の渋みに関係している成分に、免疫力を高める効果があると注目されています。

 

間もなく静岡を抜き全国一位に

 鹿児島のお茶業界は、後継者がいらっしゃらない農家の方が増えてきているなど、厳しい状況が続いています。また、残念なことに現在お茶の消費はペットボトルが主流となっています。リーフ茶離れが進む中、消費者の皆さんに、急須を使ったお茶のおいしい入れ方や楽しみ方を知っていただける活動をしていかなければならないと強く感じています。実際にリーフ茶の良さを知っていただければ、その消費者もさらに増えると思っています。
 いいニュースもあります。お茶の生産量全国二位の鹿児島県が、一位の静岡県を追い抜く寸前まで来ていることです。この勢いを上手くいかして、鹿児島のお茶の魅力をもっと知ってもらえたら大変嬉しいです。

 

未来のお茶消費者を開拓

62年前の創業当初からの板商品「桐の露」(左)と、日本茶AWARD2019 を受賞した、「東郷さえみどり」(右)

 繰り返しになりますが、リーフ茶を飲まれる方がどんどん減ってきている中、お茶の魅力を特に若い世代に伝えられるような商品やお茶の入れ方について発信していく必要があります。
 所属する鹿児島県茶業青年団では、小学生にお茶に親しんでもらうことを目的とした「おいしいお茶の入れ方教室」を実施しています。また、毎年11月に小学4年生~6年生を対象に筆記クイズ、お茶の種類当て、お茶の入れ方の得点で“茶ャンピオン”を決める「T-1グランプリ」を開催するなど、未来の消費者開拓を積極的に行っています。また、店 舗のある天文館でも※2街ゼミでお茶の入れ方教室を開講しています。さまざまなアプローチで、お茶の魅力を多くの方に伝えていきたいと思っています。
 ぜひ皆さんも、ちゃいっぺ飲んでゆっくりしませんか?

 

※1 リーフ茶:茶葉の状態のお茶のこと
※2 街ゼミ:商店街の店舗が講師となり、専門知識や情報を無料で受講者に伝える少人数のゼミのこと

水出し茶ポットを使ってみよう!

  1. 水出し茶ポットの中のフィルターに茶葉を10g、ボトルに水を750cc 入れる。
  2. 冷蔵庫内で2 ~5 時間ほど抽出。
  3. 飲み頃は完成してから1~2 日。
    作ったその日のうちに飲みましょう。
    ※フィルターがない場合はティーバッグでもOK。 同店では水出し茶ポットも豊富にそろえる(2,200 円~)

 


山口 雄真さん

1989 年鹿児島市生まれ。
2016 年から家業である「有限会社 みのる園茶舗」に勤務。 趣味は温泉めぐりで、休日は鹿児島の秘湯へ足を運ぶ。

 

有限会社 みのる園茶舗 天文館本店

鹿児島市東千石町8-18
☎099-222-8625
【営】10:00 ~18:00
【休】なし
https://www.minoruenchaho.com/index.html

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