CLINICAL ENGINEER
臨床工学技士
理念
- 専門性の向上
- 安定化された医療技術提供
- 関連部署とのチーム連携強化

組織構成
- 在籍数:20名(男性:14名、女性:6名)
- 平均年齢:34歳
(2024年9月現在)
業務内容
超急性期から慢性期的な業務まで幅広く従事しており、以下が各領域内容です。
高気圧酸素療法業務
高気圧酸素療法は、大気圧よりも高い気圧環境のなかで、高濃度の酸素を吸入することによって、病態の改善を図る治療です。当院は第1種装置を保有しており、日本高気圧環境・潜水医学専門医の指導のもと、さまざまな疾患の治療を行っています。

救急救命・集中治療業務
ハイブリッドERはCT検査や血管造影検査、手術などを同室内にて行える救急初療室であり、麻酔器・人工呼吸器・経皮的心肺補助法(PCPS)・大動脈内バルーンパンピング(IABP)などの生命維持管理装置や除細動器・LEVEL1・電気メス・低体温療法装置などの医療機器の操作及び管理を行うことが臨床工学技士の役割です。 また、緊急血管造影検査や緊急内視鏡検査などのさまざまな緊急治療に対して、医師や看護師、各種医療従事者と共に安全かつ迅速に対応できるようにしています。 さらにチーム医療の一員として、情報共有と臨床工学技士としての知識向上を目的とし、救急科で行われる医師とのカンファレンス及びICUラウンドに参加しています。


周術期業務
年間5,700件以上の手術を行う当院の手術室の麻酔器・照明・電気メス・ポンプ類などの医療機器の保守点検はもちろんのこと、整形外科・外科・脳神経外科領域にて術中に使用するナビゲーションや脊椎刺激誘発電位操作、手術室内視鏡・顕微鏡機器などの操作及び管理を行っています。 また、生体情報モニタ関連や中心静脈ルートの直接介助などの麻酔科医介助業務も積極的に行っています。

ME機器管理業務
毎朝、民間救急ヘリやドクターカーに搭載してある医療機器をはじめ、院内の全ての生命維持監視装置・除細動器・生体情報モニタの始業点検及び動作中点検を行っています。また、院内の医療機器を一つひとつ丁寧に清掃・点検し、安全な医療機器の提供を行えるようにME機器管理室にて中央管理を行うことも臨床工学技士の業務の一つです。また、機器管理ソフト(ZERO ME)を導入していることにより、機器運用の効率化を図ることができています。


人工心肺業務
心臓や大血管の手術では、心臓を止めて、人工心肺装置を使用し、体外循環(心臓や肺の代行)を行います。これらの機器を操作及び管理するのが臨床工学技士です。当院では人工心肺装置はもちろんのこと、自己血回収装置などの周辺機器の操作及び管理・麻酔科医の介助・心臓血管手術時の術野の清潔介助も積極的に行っています。
また、情報共有や知識向上のために循環器内科と心臓血管外科の合同ハートチームカンファレンスに参加しています。

呼吸療法業務
人工呼吸器装着時の始業点検・設定・接続における対応を医師・看護師と共に行っています。日勤帯と夜勤帯に動作中点検を行い、人工呼吸器が安全に作動しているか確認し、患者様の呼吸状態に合っているか常に考えたうえで医師へ相談することが必要です。
人工呼吸器のみならず、酸素使用を必要とするネーザルハイフローやインスピロンネブライザーなどのデバイスをはじめ、夜間睡眠時無呼吸に対しての検査・治療にも携わっています。

血管治療業務
ハイブリッドER・血管造影室・ハイブリッドORにおいて、脳・心臓・胸腹部・上下肢に対する検査及び治療に携わっています。全ての血管造影検査及び治療において直接介助・外回り・デバイス管理・各機器の操作管理を行っており、特に心臓血管造影検査の外回りにおいてはポリグラフ操作・IVUSやFFRなどのモダリティーの操作・PCPSやIABPの操作管理・一時ペーシング・デバイス管理などを行うことが臨床工学技士の役割です。
また、脳カンファレンスやハートカンファレンスに参加し、医師・看護師・各種医療従事者と共に症例の振り返りを行っています。


不整脈治療業務
心臓植込み型デバイス関連では、ペースメーカー植込みの際の直接介助・プログラマー操作・ペースメーカー外来を行っています。また2019年4月よりアブレーション業務を開始し、清潔野での介助・カルトや周辺機器の操作を行っています。
リードレスペースメーカーやICD、遠隔モニタリングの管理など今後さらに業務を拡大していく分野です。

血液浄化業務
個人用透析装置を用いて外傷性疾患・循環器疾患・脳血管疾患などの血液透析患者の対応を行っています。また、血液透析だけでなく腹膜透析の対応も業務の一つです。穿刺困難なバスキュラーアクセスに対しては、エコーガイド下穿刺やシャントトラブル時はシャントエコーを行います。
また、集中治療領域では持続的血液濾過透析療法をはじめ、エンドトキシン吸着・薬物中毒DHP・血漿吸着・血漿交換・CARTなどのさまざまな急性期の血液浄化療法に対応しています。


内視鏡業務
臨床では上部・下部・気管支・咽頭内視鏡の介助・外回りや、検査・治療後のスコープ及び処置具の点検・洗浄・消毒・管理を行っています。
機器管理として、電子内視鏡装置システム・高周波電気手術装置・アルゴンプラズマ凝固装置・備品・室内環境の始業点検や使用後点検、定期点検を行い、洗浄業務ではスコープや処置具の洗浄・自動洗浄機の薬液交換や水フィルターの交換・洗浄記録管理などを行っています。
また、内視鏡画像の情報管理・医療機器の運用管理・コスト管理など、内視鏡室のマネジメントも当院臨床工学技士の業務の一つです。
