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2023.07.27(最終更新日:2023.09.12) Dr.畑の 焼酎入門

第24回 『原料用アルコール』って飲んで大丈夫?

米盛病院の非常勤医師であり、焼酎マイスターの資格も持つDr.畑がお届けする鹿児島ならではの焼酎雑学。

 

皆さま、こんにちは。宇治徳洲会病院救命救急センター長(兼米盛病院非常勤医師)の畑です。 

いよいよ夏ですね。暑いと食欲がなくなるものですが、そんな時には焼酎のソーダ割りでも飲んで、元気を出していきましょう!

 

さて、今回のテーマは「『原料用アルコール』って飲んでも大丈夫?」です。

 

原料用アルコールとは?

そもそも「原料用アルコール」って何?と思う人も大勢いらっしゃるでしょう。「原料用アルコール」も普通に売られていて、買って飲むことも可能です。
「えっ、そんなことをして大丈夫なの?美味しいの?」って思いますよね。「原料用アルコール」も造り方は焼酎と同じです。 

トウモロコシや糖蜜などのいろんな原料をアルコール発酵させ、それを蒸留して造ります。造り方は焼酎と同じですが、アルコール度数が違うのです。
お酒に詳しい方はご存じかもしれませんが、酒税法という法律で、焼酎類はアルコール度数が決められているのです。本格焼酎(焼酎乙類)は45%以下。焼酎甲類(ホワイトリカーなど)は36%未満です。 

つまり、その度数を超えると「焼酎」とは言わず、名称は「原料用アルコール」となるのです。通常、「原料用アルコール」は薄めて甲類焼酎にしたり、リキュールの元として使ったり、「醸造用アルコール」として日本酒の中に入れたりして使っています。

しかし、与那国島の「花酒」のように、アルコール度数60%のものがそのまま売られている場合がありますよね? 泡盛は大丈夫なのでしょうか?

 

原料用アルコールを「製品」として飲んでいる

実は、泡盛と同じ造り方をしていても、アルコール度数が45%を越えると、本格焼酎や泡盛と名乗ることは出来なくなります。 

法律上、「花酒」の品名はスピリッツ類、「原料用アルコール」なのです。驚きですね。ですから、「花酒」の場合、我々は「原料用アルコール」を「原料」としてではなく、「出来上がった製品」として飲んでいるのです。とても、奇妙な感じがしますね。原料用アルコールを飲んで「できあがった酔っ払い(私)」が「製品」でしょうか? (笑) 

「よしっ! 今日は、出来上がるまで飲むぞ!」などと言って、原料用アルコールを飲み過ぎないようにしてくださいね。特に高濃度のアルコールは粘膜障害を起こす可能性が高く、食道癌のリスクが上がるとも言われています。

なお、アルコール度数が60%にもなると手指消毒に使用可能ですが、それを飲んでも体の中は消毒できません。くれぐれも無理はなさらないようにお願いします。

次号は「『原料用アルコール』って飲んで大丈夫??」です。お楽しみに!

 

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焼酎マイスター Dr.畑 

宇治徳洲会病院 救命救急センター長 / 米盛病院 非常勤医師 畑 倫明

焼酎と温泉をこよなく愛する医師。追求心が強すぎて、好きなだけでは飽き足らず、「温泉ソムリエマスター」に続き、このたび「焼酎マイスター」「焼酎唎酒師」も取得!

 

 

 

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