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2020.04.08(最終更新日:2022.10.04) 医療のお話

見逃さないで!健康診断の所見から分かる心臓のサイン

診断結果の用紙に印字されている気になる所見あり。ひょっとしたら、病気のサインかもしれません。

目次

 

健康診断の心電図検査で分かった

徐脈(じょみゃく)

心臓を動かす電気信号のリズムが異常に遅いものを徐脈といいます。
高齢者やスポーツ選手に多く見られます。心拍数が1分間に50回を下回る高度な徐脈については、専門医療機関での二次検査の必要があります。
徐脈性不整脈は、正常よりも脈が遅くなる病気の総称です。主に治療の対象となるのが、洞不全症候群、房室ブロックなどです。いずれも症状としては、脳への血流が減ることで起こる失神や、運動時の息切れや強い疲労感、心不全による呼吸困難など。
この病気は自覚症状に乏しく、健康診断の心電図検査で偶然見つかることも少なくありません。主に加齢によって発症します。

頻脈(ひんみゃく)

心臓を動かす電気信号のリズムが異常に速いものを頻脈といい、病的な頻脈は発熱時、貧血時などで見られることがあります。心拍数が1分間に120回を上回る高度な頻脈は、専門医療機関での二次検査の必要があります。
頻脈とは、脈が速くなる不整脈です。脈が速くなり過ぎると、心臓は効率的に血液を送り出すことができなくなります。代表的な疾患は心房細動といい、心房が痙攣したようになります。その拍動数は1分間に300回以上となり、心臓のポンプの力が低下し、血液が心房の中でよどみ、血のかたまり(血栓)ができやすくなります。この血栓が脳に運ばれると、脳梗塞を引き起こします。

ST異常・異常Q波

ST異常とは、STと呼ばれる心電図の基本線の波形の一部分に異常がみられること。
異常Q波とは、心臓自体の電気的な刺激の流れの一部分が、通常の方向と異なっていること。いずれも速やかな二次検査が必要です。

ST異常は、重篤な疾患のサインである可能性があります。「ST上昇」の場合、狭心症、ブルガダ症候群などの診断につながることがあります。「ST低下」の場合、心内膜面に虚血がみられる場合があります。
異常Q波は、心筋梗塞の特徴的な波形ですが、左室肥大や左脚ブロックなどでも認められることがあります。ただし、健康な人でも、体質によって異常がみられることもあります。

 

健康診断の内科診察で分かった

心雑音

 心臓には心房と心室が2つずつ、合わせて4部屋あり、拍動に合わせてこれらの部屋をつなぐ4つの弁が常に開閉を繰り返しています。この弁や血管を血液が通過する際に発生する、比較的持続時間が長い振動音を心雑音と言います。

心臓に病気がなくても聞こえる心雑音がありますが、一方で病気によって生じる心雑音もあります。大人で心雑音を生じる病気の代表は心臓弁膜症です。弁膜症とは、弁が加齢や感染症、外傷などの問題によって正常に機能しなくなることを言います。特に多いのが、大動脈弁狭窄症と僧帽弁逆流症です。「心雑音がある」と言われたら、まずは循環器内科の医師がいる医療機関を受診してください。

 

二次検査を体験!

ホルター心電図検査(24 時間心電図検査)

 通常の心電図検査では異常が検出されにくい不整脈などを調べる検査です。1 日分の心電図を記録し、記録された波形をコンピューター解析します。検査は小型の器械を装着し普段通りの生活をしていただきます。
検査時間:機器取付時間 5~10 分。
記録は最長24 時間

安静時12 誘導心電図検査

 不整脈や狭心症、心筋梗塞など、脈のリズムの異常や胸の違和感・痛みの原因を調べる検査です。ベッド上で横になり、両手首、両足首、胸に電極を貼り付け、12 カ所の心電図を記録(心臓の拍動によって生じる電気的活動を波形として記録)します。
検査時間:約3分

運動負荷心電図検査(トレッドミル、エルゴメーター等)

機器を使って運動することで心拍数を上げ、安静時の心電図検査では検出されにくい狭心症や不整脈などを調べる検査です。検査ではランニングマシンの上をベルトが動く速度に合わせて歩いたり走ったりします。走ることが困難な場合は自転車のようにペダルをこぐ方法もあります。
検査時間:運動している時間は約10 分。準備から終了まで約30 分

心臓超音波検査(心エコー検査)

心臓に異常がないかを超音波を用いて調べる検査です。超音波を出す探触子を胸に当て、心臓の弁の動きや筋肉の厚さや動き、心臓にある4 つの部屋の大きさ等を調べます。
検査時間:約30 分

検査では女性スタッフも対応しています

与次郎米盛クリニックでは、健康診断やがん検診などの「要精密検査」に対応しております。
詳しくはこちらから

 

検査結果を見逃さないで!

(左) 循環器内科 臨床不整脈部門 田上 和幸
(右)循環器内科 虚血性心疾患部門 下髙原 淳一

下髙原「心臓の病気は、日頃症状がないことがほとんど。ある日突然悪くなることがありますので、二次検査は受けるようにして下さい」
田上「健康診断で徐脈・頻脈を言われたときは、放置せずに必ず病院を受診して下さい」

 

循環器内科外来のご案内

社会医療法人 緑泉会 米盛病院 
099-230-0100
【受付】 月:8:30 ~12:00 / 火~金:8:30 ~17:00(※12:00 以降の受付は午後の診療)
【診療】 月:9:00 ~12:30 / 火~金:9:00 ~12:30、14:00 ~18:00

 

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