循環器内科

診療内容紹介

循環器内科では、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)、不整脈、弁膜症、心筋症、心不全、閉塞性動脈硬化症などといった、心臓の血管や他の血管、心臓そのものに生じる疾患を対象に治療を行っています。
治療には大きく分けて「薬物治療」、「カテーテル治療」、「デバイス治療」がありますが、最も大事なことは、生活習慣の改善により循環器疾患の原因でもある動脈硬化や脂質異常などを予防することと、病気の早期発見であると考えます。胸痛、息切れ、動悸、めまい、呼吸が苦しいといった日常生活で感じる不安がありましたら、お気軽にご相談ください。

虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)においては、急性心筋梗塞などの救急疾患や重症例にも対応し、薬による治療だけでなく、カテーテル治療を行なっています。急性心筋梗塞に対する緊急カテーテル治療の典型例では、病院到着から60分以内に詰まった血管の血流の再開に成功しています。また、経皮的体外循環(PCPS)を用意して治療することで安全性を確保しています。下肢の血管が狭くなったり、閉塞してしまったりする、閉塞性動脈硬化症に対してもカテーテルでの治療を行なっています。

不整脈においては、カテーテルアブレーション治療、デバイス治療を積極的に行っています。カテーテルアブレーションでは心臓を3D画像で確認しながら治療を行う、CARTO UNIVUというシステムを導入して治療の安全性と確実性の向上に取り組んでいます。一方で、ペースメーカでは従来のペースメーカより小型で体への負担の小さい、リードレスペースメーカの植込みが可能です※。重症化した心不全や不整脈に対しては植込み型除細動器(ICD)、両心室ペースメーカ(CRT)、両室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)を用いたデバイス治療を行なっています。また、これらデバイス治療ではリード(デバイス本体から電気信号を送る線)が断線や感染を起こすと体内から抜去する必要がある場合がありますが、リード抜去治療も対応可能です。
※患者さまの状態により従来のリード付きペースメーカが必要な方もいます。

当院ではハートカンファレンスを行い、循環器内科医、心臓血管外科医、その他の多職種が共同して治療方針を協議しています。内科的治療、外科的治療、両方の視点で、それぞれの症状とライフスタイルにあった治療方法をご提案しています。

カテーテル治療

経皮的冠動脈インターベンション治療(PCI)

 

経皮的冠動脈インターベンション治療(PCI)は、動脈硬化などにより狭くなった冠動脈を血管の内側から拡げ、血流を改善させる治療法です。手首や腕、脚の付け根などの動脈から、先端にバルーン(風船)をつけた直径2mm程度の細く柔らかいチューブ(カテーテル)を挿入し、冠動脈の狭くなった部分でバルーン(風船)を膨らませて血管を内側から押し拡げ、血流を確保します。バルーンはその後しぼんだ状態で抜き取ります。胸を大きく開く手術に比べ、患者さんの体への負担は少なくてすみます。
また、バルーンで血管を拡げても再び血管が狭くなってしまう(再狭窄)ことがあります。ステントと呼ばれる金属を網目状にした筒を、バルーンとともに挿入し血管の中で拡張させることで、血管を内側から補強することができ、バルーンだけの拡張に比べ、再狭窄は少ないといわれています。

カテーテルアブレーション治療

 

 不整脈を起こす異常な電気興奮の発生箇所をアブレーション治療用のカテーテルで焼 灼し、不整脈を起こさなくする治療法を「カテーテルアブレーション治療」といいます。  まず、足の付け根や首の静脈からカテーテルを挿入し、モニターで血管をたどりながら心臓の中まで管を進め、カテーテルの先端についている電極で心臓内の電気の流れを分析することで不整脈の原因箇所(患部)を突き止めます(電気生理学的検査)。  次に、患部が特定できたら、アブレーション専用のカテーテルを到達させ、高周波通電をします。カテーテルの先端についている電極に触れている領域の心臓組織を電気的に焼灼し、異常な電気伝導を遮断します。  不整脈の種類や患者様の状態にもよりますが、手術は2時間〜4時間程度で、開胸手術に比べて体に負担が少ない治療法です。カテーテルアブレーション治療が適応となる不整脈は、心房細動、心房粗動、発作性上室性頻拍、心室頻拍といった頻脈性不整脈になります。  前述の疾患においては高い確率でその治療の効果が期待できますが、心房細動では、心房の大きさ、持続期間などによって治療成功率に幅があり、成功するまでに数回の手術が必要なケースもあります。

カテーテルアブレーション治療の流れ

CARTO UNIVUを用いたカテーテルアブレーション治療

当院では、現在のカテーテルアブレーション治療において必要不可欠となっている3Dマッピングシステムを完備しています。なかでも他病院では導入が多くない最新のCARTO3 version6/CARTO UNIVUを導入しています。CARTO systemは磁気センサーを用いて心臓内でのカテーテルで得られた情報を3Dで立体的に表示するものです。またCARTO UNIVUを用いることでエックス線の情報も統合し表示することが可能です。
これにより、正確に不整脈を診断することが可能であるとともに、患者様や術者の放射線被爆を大幅に減らすことができます。

図1.CARTO UNIVUを用いた心房細動に対する
カテーテルアブレーション
図2.CARTO UNIVUを用いた発作性上室頻拍に対する
カテーテルアブレーション

デバイス療法(不整脈・心不全)

ペースメーカ植込み手術

 

ペースメーカは、本体とリード(導線)で構成されます。リードには先端部分に電極があり、その電極が心臓の筋肉に接して、本体からの電気刺激を心臓へと伝え、心拍数を一定に保ちます。ペースメーカ植込み手術が適応となるのは、心拍数の減少などによって意識障害や失神などをおこす洞不全症候群や心臓の伝達障害です。
この手術では、本体は左または右の鎖骨下に、5cm程度切開して植え込み、リード(導線)は鎖骨の近くにある鎖骨下静脈を通して、レントゲンで透視しながら心臓の右心房、または右心室へ挿入されます。
また、心臓手術を受けたまたは同時にペースメーカを植込む患者さんや、小児の患者さんでは、ペースメーカリードは心臓の外側(腹部)に埋め込まれます。

リードレスペースメーカ

当院では、徐脈に対するペースメーカ治療の中でもリードレスペースメーカの植込みが可能です。
リードレスペースメーカは小さく、僅か1.0cc、1.75gでカプセル型をしています。足の付け根の太い静脈から心臓まで到達し、右心室の壁に直接フックでひっかけて留置するものです。電池、機械、リードが一体型になっていて体の表面からはペースメーカを植込んでいることが分かりません。
従来のペースメーカのように皮下ポケットやリードが不要のため、ポケット感染やリード断線といった合併症の心配がありません。

図1.リードレスペースメーカの大きさ 図2.リードレスペースメーカの植込み場所

植込み型除細動器(ICD)

ICDは、心室頻拍や心室細動といった命に関わる重症の不整脈を経験した、あるいはその可能性が高いと予測される方を対象として、不整脈の治療を行う医療機器です。本体と電気刺激を直接心臓に伝えるためのリードと呼ばれる電線で構成されている機器で、ペースメーカと同様に、体内に植込みを行う電気刺激装置です。ICD本体は、常に心臓のリズムが正常かどうかを監視していて、心拍数があらかじめ設定された基準を上回ると、状況に応じた治療が自動的に選択され機器が作動します。ペースメーカとしての機能も備わっていて、脈が遅い時も作動します。

両心室ペースメーカ(CRT /心臓再同期療法)

重症心不全により、心臓のポンプ機能に何らかの障害をもった方に対するペースメーカ療法です。心臓は電気信号が心房から心室に伝わることで拍動し、健康な心臓は順序よく心房から心室へ電気信号を伝えています。しかし心臓に何らかの障害が起こるとこの電気信号の伝わり方にずれが発生し同期障害という状態になり、心臓のポンプ機能が低下して心不全を引き起こします。ペースメーカを用いて心臓に伝わる電気信号のずれを整えることで、心臓を助ける治療法を心臓再同期療法(CRT)と呼び、治療には両心室ペースメーカという機器を用います。

両心室ペーシング機能付き植込み型除細動器(CRT-D)

心不全の方の中には、心臓再同期療法(CRT)の対象となる同期障害だけではなく、心室頻拍や心室細動といった、命に関わる不整脈を合わせもつ突然死の危険性のある方もいらっしゃいます。どちらにも対応できるデバイスとして、両心室ペーシング機能付き植込み型除細動器があり、これは、心室の同期障害に対する心臓再同期療法(CRT)と、命に関わる不整脈による突然死を予防するICD治療の両方の機能をもったデバイスです。

リード抜去(経静脈電極抜去)

心不全や不整脈の治療として、ペースメーカや植込み型除細動器(ICD)などの心臓植込み装置には心臓と機器本体をつなぐリード(電線)が必要な機器が多くあります。リードは電線ですので断線などの不具合や感染症等の合併症が一定の割合で生じます。これらが発生した際には治療のためにリード(電線)を抜去することが必要な場合があります。レーザーを用いる方法と用いない方法がありますが、当院では両方対応できますので症状に合わせて最適な手法を選択しています。

遠隔モニタリング

当院では、植込み型デバイス治療に対する遠隔モニタリング管理を積極的に行っています。遠隔モニタリングとは、自宅に電話回線を使用した機器を設置し、植込んだデバイスと交信することで、患者さまは自宅にいながら医療スタッフがデバイスのデータを把握できるものです。通常、ペースメーカ等の植込み型デバイス治療を受けた後は、3-6ヵ月に1回病院を受診し、医師の診察を受ける必要がありました。しかし、この遠隔モニタリングを導入することで、年に1回の診察を受けていただき、問題なければそれ以外は受診する必要がなくなります。病院を受診しない間の植込み型デバイスのデータは、医師、看護師、臨床工学技士等の遠隔モニタリングチームが管理します。

検査

心臓カテーテル検査(CAG)

 

心臓カテーテル検査(CAG)では、まず、カテーテルと呼ばれる直径2mm程度の細くやわらかいチューブを手首や腕、脚の付け根などの動脈から心臓にある冠動脈の入口まで挿入します。次に、カテーテルから冠動脈に造影剤を注入し、X線撮影することにより、狭窄していないかなど、冠状動脈の血管の状態を知ることができます。
狭心症や心筋梗塞の診断などに用いられる検査です。

心臓超音波検査(心エコー)

心臓超音波検査とは、人の耳では聞き取ることのできない超音波を胸に当て、心臓の筋肉や弁に超音波があたってはね返ってきた反射波を画像化することで、心臓の様子を映し出す検査です。この検査では、心臓の大きさや形、心臓の壁の厚さ、動き方、血液が血管を流れる速度などがわかり、先天性心疾患、弁膜症、心筋症などが診断できます。検査時間は患者さんの状態にもよりますが、20分程度です。

診療・治療実績

心臓カテーテル手術(PCI:経皮冠動脈インターべンション)

(2016年10月~2019年8月)

2016年度:23件
2017年度:56件
2018年度:97件

 

手術実績

手術件数はこちら

主な対象疾患

虚血性心疾患部門

虚血性心疾患とは

 「虚血」とは「血がない状態」のことで、心臓に十分血がいきわたっていない状態のことを「虚血性心疾患」といいます。心臓は筋肉でできていてこれを「心筋」といいます。心筋に血液を送り酸素と栄養素を供給する冠動脈という血管が、動脈硬化などにより狭くなったり、血管がけいれんを起こしたりすることで、血液が十分に心筋にいきわたらなくなったとき、心臓は虚血状態となり酸素不足になります。症状としては、胸の苦しさや締め付けられる様な感じの他に、胸の痛み、歯の痛み、肩の痛み等、様々な痛みとしてあらわれます。胸の痛みだけではないのが特徴です。現れる症状は個人差がありますので、気になる痛みがあれば外来にてお気軽にご相談ください。薬物治療からカテーテル治療、外科的治療まで症状に合わせて、ご提案いたします。

  • 心筋梗塞
  • 狭心症
  • 高血圧症
  • 高脂血症

 

不整脈部門

不整脈とは
 

 心臓は拍動することにより全身に血液を送り出すポンプの役割を担っており、拍動は心臓の筋肉に電気信号が伝わり収縮することで生じます。不整脈とは、この電気信号のリズムの乱れにより脈が速くなったり(頻脈)遅くなったり(徐脈)する状態を言い、前述のような症状が現れる原因となります。電気信号は右心房にある「洞結節」で起こり、「房室結節」を経由し、「刺激伝導系」と総称される特殊な筋繊維をつたって心臓の各部に伝達されます。  不整脈の症状は個人差が大きく、患者様・ご家族とご相談しながら、治療法を選択していきます。当科不整脈外来では、薬物治療からカテーテルアブレーション治療、デバイス治療・外科的治療にわたり広く取り組んでいます。

  • 心房細動
  • 心房粗動
  • 発作性上室性頻拍
  • 心室頻拍
  • 洞不全症候群
  • 房室ブロック

認定研修施設

  • 日本循環器学会専門医研修施設

機器・設備

アンギオ室(血管造影装置)

血管造影装置とは、カテーテルを血管内に挿入し造影剤を注入することで、X線により血管の様子を見ることができる装置です。当院では、血管撮影室、ハイブリッドERおよびハイブリッドORにそれぞれ血管撮影装置を導入しており、1秒でも早い治療が望まれる脳梗塞やくも膜下出血、心筋梗塞などに対して迅速な治療を行えるようフレキシブルに装置を活用しています。

 

ハイブリッドER

ハイブリッドERとは、初期治療から緊急手術までに必要な、様々な検査・医療機器を集約した救急室です。血管造影装置やCTの機能も併せ持っています。これにより、救急の患者様を各検査室に運ぶ時間的ロスと、患者様の身体的負担を減らすことが可能になりました。

 

ハイブリッドOR(血管造影)

手術と、血管造影の検査を同時並行し、ナビゲーション手術を可能とするのが、ハイブリッドORです。 オペ室はすべて、NASA規格のクリーンルーム。廊下、前室、オペ室と進むにつれ、ほこりが減っていく 仕組みになっています。手術中、患者様のご家族は、個室にてその様子をモニターでご覧いただくことができます。

医師紹介

虚血性心疾患部門

内科部長

江田 一彦
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本心血管インターベンション治療学会認定医
  • 日本循環器学会認定循環器専門医
  • ICLSディレクター
  • ACLS-EPプロバイダー
専門分野
循環器内科(心不全、心筋梗塞・狭心症、高血圧、など)

虚血性心疾患センター長

下髙原 淳一
  • 日本内科学会認定内科医/総合内科専門医
  • 日本心血管インターベンション治療学会認定医
  • 日本循環器学会認定循環器専門医
専門分野
虚血性心疾患

 

不整脈部門

不整脈センター長
田上 和幸
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本循環器学会認定循環器専門医
  • 日本不整脈心電学会認定不整脈専門医
  • 日本抗加齢医学会専門医
  • 日本心臓リハビリテーション学会認定心臓リハビリテーション指導士
  • 臨床研修指導医
  • ICD・CRT-D植込み認定医
  • リードレスペースメーカ施行医
  • 皮下植込み型除細動器植込み施行医
  • エキシマレーザーによるリード抜去施行医
  • クライオバルーンによる心房細動アブレーション施行医
  • ホットバルーンによる心房細動アブレーション施行医
専門分野
臨床不整脈・循環器内科
山下 恵里香
  • 日本内科学会認定内科医
  • 日本循環器学会認定循環器専門医
  • 日本不整脈心電学会認定不整脈専門医
  • 臨床研修指導医
  • ICD・CRT-D植込み認定医
  • リードレスペースメーカ施行医
  • 皮下植込み型除細動器植込み施行医
  • エキシマレーザーによるリード抜去施行医
  • クライオバルーンによる心房細動アブレーション施行医
  • ホットバルーンによる心房細動アブレーション施行医
専門分野
臨床不整脈・循環器内科

循環器内科(一般)

黒岩 竜一
  • 日本循環器学会循環器専門医
  • 日本内科学会総合内科専門医
専門分野
循環器科・一般内科
新村 英士
専門分野
循環器科・一般内科

外来案内

【受付時間】 8:30~12:30
火~木 8:30~17:00
※12:30以降の受付は午後の診療となります。
【診療時間】 9:00~12:30
火~木 9:00~12:30 / 14:00~17:30

※患者様の状態や検査等により、診察の順番が前後する場合がございます。

【診察予約等につきまして】
電話番号:099-230-0100(代表)※再診のみ
受付時間:月~金 9:00~17:00 / 土 9:00~11:30  ※日・祝日休

外来担当表

 
循環器内科 AM 下髙原 淳一 下髙原 淳一 田上 和幸
山下 恵里香
(不整脈)
江田 一彦
PM 下髙原 淳一 田上 和幸
山下 恵里香
(不整脈)
江田 一彦

(2019年7月現在)

【お問い合わせ】  099-230-0100(代表)

 

業績

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