診療科案内

胎児診断外来

胎児診断外来

  • 当院の胎児診断外来は2017年の開設以来、多くの妊婦さんやご家族に向き合ってまいりました。
    「年齢が心配」「首の後ろが厚いといわれた」「おなかの赤ちゃんは元気だろうか」「不安に思っていることを一緒に考えてくれる場所はないだろうか」など、悩みを抱える妊婦さんは少なくありません。
    産婦人科専門医かつ臨床遺伝専門医が、胎児の情報を可能な限り正確に伝え、適した検査の選択、出生後の治療方針のアドバイスまたは精神的なフォローなど、常に寄り添う診療を目指しております。

 

 

受診について

受診の流れ

  • STEP 1
    受診予約

    お電話【099-230-0100(月~土曜8:30~17:30)】にて「胎児診断外来受診希望」とお伝えください。お電話での簡単な問診がございます。

  • STEP 2
    予約確定

    月・水・土曜のいずれかの日時でご予約ください。(完全予約制)

  • STEP 3
    受診当日

    受付で「胎児診断外来受診」の旨をお伝えください。
    (紹介状をお持ちの方はお出しください。)
    診察室は西棟1階にあります。

準備するもの

  • 母子手帳
  • (お持ちであれば)紹介状

受診時間 (完全予約制となっております)

  • 月・水・土曜日

    9:00~18:00

 

遺伝カウンセリング

妊娠または胎児について不安、悩み、疑問等をお持ちの方に、正確な情報を示し、相談にお答えします。胎児診断を受けるには、まず遺伝カウンセリングを受けていただくことが必要です。
■検査時間:~約60分

  • 金額(税込)

    11,000円

 

主な検査

出生前遺伝学的検査は大きく分けて、非確定検査と確定検査があります。

  • 非確定検査

    超音波検査や採血ですので、胎児や母体への危険性はありません。
    妊娠週数によって受けられる検査は異なります。
    非確定検査で染色体疾患が疑われる陽性結果が出ても、診断は確定されません。
    その後確定検査を受ける必要があります。

  • 確定検査

    診断を確定するための検査です。おなかに針を刺して羊水や絨毛を採取しますので、流産や死産のリスクがわずかながらあります。

非確定検査(非侵襲性検査)

(検査時間:20~30分 ※胎児の姿勢によってエコーに要する時間が異なります)

 

妊娠10週からできる検査

NIPT(母体染色体検査)/超音波検査付

妊婦さんから10mlの血液を採取し、胎児由来のDNAを調べることで、胎児が21・18・13番のトリソミーである可能性の有無を調べる検査です。結果は約1週間後にわかり、「陽性」「陰性」または「判定保留」と報告されます。「陽性」「判定保留」の場合、診断を確定するためには確定検査(絨毛染色体検査や羊水染色体検査)が必要になります。

  • 金額(税込)

    138,600円

 

 

妊娠11~14週未満、かつ胎児の長さ(CRL)が45~84mmでできる検査

①妊娠初期詳細超音波検査(FTS)

超音波で詳しくみることにより、胎児の21・18・13番のトリソミーの確率を調べる検査です。結果は当日わかります。

  • 金額(税込)

    27,500円

 


②コンバインドテスト

上記FTSと血液検査(初期母体血清マーカー)の組み合わせによって、胎児の21・18・13番のトリソミーの確率を調べる検査です。FTSよりさらに高い検出率です。結果は2~3日後にわかります。

  • 金額(税込)

    49,500円

 

 

妊娠15週からできる検査

クアトロテスト/超音波検査付

母体血中の生化学物質の計測値に母体年齢を加味して、胎児の21・18番のトリソミーと、二分脊椎(胎児期に脊髄や脊椎の癒合不全が生じた状態)の確率を調べる検査です。結果は7~10日後にわかります。

  • 金額(税込)

    27,500円

 

確定検査(侵襲性検査)

 

妊娠11週から14週頃できる検査

絨毛染色体検査

胎盤組織の一部を採取して染色体疾患の有無を調べる検査です。結果は2~3週間後にわかりますが、3日程度で21番トリソミー(ダウン症候群)などの主な染色体異常の有無がわかる「FISH法」を併用することも可能です。その場合、別途料金33,000円がかかります。
■検査時間:約30~40分

  • 金額(税込)

    143,000円

 

 

妊娠16週からできる検査

羊水染色体検査

羊水を約20ml採取して染色体疾患の有無を調べる検査です。
結果は2~3週間後にわかりますが、3日程度で21番トリソミー(ダウン症候群)など主な染色体異常の有無がわかる「FISH法」を併用することも可能です。 その場合、別途料金33,000円がかかります。
■検査時間:約30~40分

  • 金額(税込)

    110,000円

 

その他の検査

妊娠中期・後期詳細超音波検査

十分な時間をかけて胎児の全身を観察します。
先天性心疾患や口唇口蓋裂、神経管閉鎖不全といった胎児形態異常の診断、さらに胎盤や臍帯の異常などを診断します。結果は当日わかります。
■検査時間:約30分

  • 金額(税込)

    27,500円

各種胎児遺伝子検査

妊娠前から遺伝カウンセリングを受けていただくことが必要です。妊娠後の対応は困難な場合もありますが、まずはお問い合わせください。

 

料金のご案内

健康保険が適用にならない検査のため、全額自己負担になります。

検査名 料金(税込)
遺伝カウンセリング(~60分) 11,000円
NIPT(母体血胎児染色体検査) 138,600円
妊娠初期詳細超音波検査 27,500円
コンバインドテスト 49,500円
クアトロテスト 27,500円
絨毛染色体検査 143,000円
(FISH法を併用した場合+33,000円)
羊水染色体検査 110,000円
(FISH法を併用した場合+33,000円)
妊娠中期・後期詳細超音波検査 27,500円
3D・4D超音波 11,000円

※その他、各種胎児遺伝子検査についてはお問い合わせ下さい。

(2024年4月現在)

 

染色体異常症について

代表的な常染色体の数的異常

21トリソミー(ダウン症候群)

一般的に、600~800人に1人の割合で出生するといわれています。心疾患や消化器系疾患などの病気をもつ場合があります。適切な療育などによって成長発達を促すことができます。

18 トリソミー(エドワーズ症候群)

一般的に、4,000~10,000人に1人の割合で出生するといわれています。複数の疾患をもって生まれてくることがあり、生後早期に医学的な管理が必要になることがあります。

13トリソミー(パトウ症候群)

 一般的に、5,000~10,000人に1人の割合で出生するといわれています。複数の疾患をもって生まれてくることがあり、生後早期に医学的な管理が必要になることがあります。

代表的な性染色体の数的異常

ターナー症候群(45,X)

 一般的に、女児の1,000~2,000人に1人の割合で出生するといわれています。出生後も症状は軽微で気付かれないことも少なくありません。低身長、卵巣機能不全、無月経、不妊症が見られます。社会生活には問題が無い場合が多いようです。

クラインフェルター症候群(47,XXY)

 一般的に、男児の1,000人に1人の割合で出生するといわれています。言語能力に問題があることもありますが、2/3は生涯診断されないことがわかっています。

トリプルX症候群(47,XXX)

一般的に、1,000人に1人の割合で出生するといわれています。問題となるような身体的異常はありません。集団で比較すると若干IQが低く言語発達が遅れることもあります。妊娠出産にも影響はありません。

XYY症候群(47,XYY)

一般的に、男児の1,000人に1人の割合で出生するといわれています。ほぼ無症状で生後に見つかることはほとんどありません。学習障害・多動などの軽微な行動障害が起こることがあります。

比較的多い欠失症候群

5pマイナス症候群

子猫の鳴き声に似た高い泣き声が特徴です。この特徴は出生後数週間で消失します。筋緊張低下、低体重、小頭症、両目が離れている、垂れ目などの特徴的な顔つきがあるといわれています。

4pマイナス症候群

知的障害をおこし、欠失が大きいほど重度となります。てんかん、眼瞼下垂、口蓋裂、骨成長の遅れなどがあります。

モザイク(細胞ごとに正常と異常を持ったものが入り交じっている状態)

絨毛検査で1~1.5%、羊水検査で0.2%見つかります。出生後の血液検査で異常な細胞が1~2割以下であれば無症状だといわれていますが、症状が出るかどうかは過去のデータや超音波検査等と合わせて推測することになります。

 

Q&A

  • 正確な情報を正しく理解し、様々な問題点を整理することにより、それぞれの方に合った検査の選択をするためのお手伝いが遺伝カウンセリングです。妊婦さんの抱える心配事やおなかの赤ちゃんに関する漠然とした不安などで、出生前検査を受けるかどうかやその目的はお一人おひとり異なります。おなかの赤ちゃんについて心配な事がございましたら、出生前検査を受けるかどうかに関わらず、臨床遺伝専門医の遺伝カウンセリングを受けてみませんか。

  • 妊婦健診では主に赤ちゃんが元気に育っているかを観察します。胎児診断外来では、妊婦健診よりも詳細に、時間をかけて全身を観察し、鼻骨、NT(首のむくみ)、心臓など週数に応じて必要な部位を精密に検査しています。

  • おなかの中の赤ちゃんのNT(首のむくみ)の厚さが3mm以上あると、ダウン症候群の可能性が高いといわれています。当院では、NT計測のライセンスを持つ医師が正確に計測を行い診断しています。

  • 当院では検査の前に、遺伝カウンセリングを受けていただき、ご家族の状況や年齢、妊娠歴、不安に思われていることなどの情報を整理して、それぞれに合った検査を紹介させていただきます。

使用機器

  • 11週

  • 15週

  • 31週

 

Voluson Expert 22(GEヘルスケア・ジャパン株式会社)
一般的な妊婦健診に用いられている機器よりも高度かつ最新鋭の超音波機器を使用しており、おなかの中の赤ちゃんの様子を2Dから3D、4Dイメージまで高精細なエコー画像を撮影することができます。
また、衛生面にも充分配慮しており、高水準の消毒技術を搭載した機器「trophon」を使用しています。

 

スタッフ紹介

  • 医師 池田 敏郎

    「丁寧かつ分かりやすく」をモットーに、胎児医学・臨床遺伝学の専門家として、常に最新の情報を提供し診療させていただきます。 社交ダンスや写真、アマチュア無線などプライベートでも慌ただしくしております。いずれも健康であれば続けられそうですので、仕事と趣味の二刀流で今後も頑張っていきたいと思っております。

    • ■ 産婦人科専門医
    • ■ 臨床遺伝専門医 / 指導医
    • ■ 臨床細胞遺伝学認定士
    • ■ イギリス胎児医療財団(FMF)認定 妊娠初期超音波資格
    • ・NT(NT資格)
    • ・NB(鼻骨資格)
    • ・TR(三尖弁逆流資格)
    • ・DV(静脈管血流資格)
    • ・UA(子宮動脈血流資格)

助産師2名
不安を抱く気持ちは、おなかの赤ちゃんを大切に想うからこそ…
妊婦さんやご家族の想いに寄り添えるようお手伝いができればと考えております。

受診を迷われている方は、まずはお気軽にお問い合わせください。

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