
診療科案内
脳卒中センター
脳卒中センター
急性期脳梗塞
近年注目を集めている脳梗塞の超急性期治療では、病院到着から治療開始が早ければ早いほど良好な転帰が期待されます。当院では、点滴薬剤により脳血管の詰まりの原因となっている血栓を溶かして血流を再開させる「tPA静注療法」や、カテーテルを足や腕の血管から挿入して脳の血管まで到達させ、血管を閉塞させている血栓をカテーテルで取り除く「血栓回収療法」などが迅速に行える体制を整えています。鹿児島県内の救急隊のみなさんとも連携し、当院ではガイドライン等で推奨される治療開始時間の目安を上回り、迅速な治療開始を実現しています。また、カテーテル治療では治療困難である動脈硬化性病変や慢性閉塞性疾患を背景にもつ脳虚血の患者さんには、開頭でのバイパス手術を行うことでさらなる予後の改善を図っています。
くも膜下出血
くも膜下出血はその原因の約9割が脳動脈瘤の破裂です。このくも膜下出血の致死率は高く、くも膜下出血全体の死亡率は約30〜50%、手足の麻痺や意識障害など後遺症が残る可能性も約30〜40%と言われています。一度破裂した脳動脈瘤は48時間以内に再破裂することが多いとされています。この破裂脳動脈瘤に対しては、再破裂予防のためネッククリッピング術(開頭手術)や脳血管内治療(カテーテル手術)のどちらかを実施することになります。当院では、いずれの治療も迅速に行える体制を24時間整えております。
また、近年脳ドックや健診などで無症状の未破裂脳動脈瘤が見つかり、当院にご紹介いただく患者さんも増えております。当院では、MRI/A, 3DCTA, 脳血管撮影検査(カテーテル検査)により動脈瘤の大きさはもちろん、その形態や周囲の血管との関係性などを見極め、開頭手術が良いのか、カテーテル手術が良いのかを十分に検討し、最適な治療方針をご提案しております。
脳出血
脳出血については、症状に関わる血腫の大きさ、位置などによっては緊急手術が必要な場合があり、必要な場合においては救急科・麻酔科と連携し、いつでも開頭手術を行える状況を整えています。また、脳出血の原因疾患として脳動脈瘤や動静脈奇形、硬膜動静脈瘻といった稀有な疾病が隠れている場合があります。その場合、根治手術が必要となることがありますので、しっかりとした精査も併せて実施しております。
脳動静脈奇形・硬膜動静脈瘻
脳出血やくも膜下出血の稀な原因として、脳動静脈奇形や硬膜動静脈瘻など、複雑な血管病変が背景に存在することがありますが、これまでの多くの症例経験をもとに周囲血管との関係性を十分に見極め、脳血管内治療(カテーテル治療)や開頭手術、また放射線治療を組み合わせた最適な治療を実施しております。
神経集中治療
当センターでは、集中治療室(ICU)とは別に脳卒中病床として8床を有しています。医師だけではなく、看護師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・薬剤師・栄養士・社会福祉士・医療事務が皆、脳卒中療養相談士として多職種チームで脳卒中診療に取り組んでいます。Stroke Unitでは神経モニタリングから人工呼吸器管理に至るまで適切な全身管理を行い、患者さんの更なる神経学的転帰改善に努めています。