2026.02.06(最終更新日:2026.02.06)
その手のしびれ・脚のしびれ、本当に歳のせい? 「心アミロイドーシス」にご注意ください
【監修】循環器内科 新村 英士 医師

(左)健康な心臓:筋肉がやわらかく、リズムよく動いて血液を全身に送り出しています。体を動かしても、心臓は無理なく働けます。
(右)心アミロイドーシスの心臓 :筋肉の間に異常なたんぱく質がたまり、心臓の働きが悪くなります。動きが制限され、息切れなどの症状につながります。
手のしびれや下肢のしびれ、息切れ、疲れやすさなど、日常でよくある不調を「年齢のせい」と片付けてしまう方は少なくありません。
しかし、こうした身近な症状の中には、ゆっくりと進行する全身性アミロイドーシスの一部、心臓の病気「心アミロイドーシス」が隠れている場合があります。特にこの病気は、発症から診断まで長い時間がかかりやすく、気付いた時には進行しているケースもあります。
心アミロイドーシスとは、体内で作られる異常なたんぱく質「アミロイド」が心臓に沈着し、心臓の壁が硬くなったり、電気信号の伝わりが悪くなったり不整脈を起こしたりする病気です。
心臓が十分に広がらず、血液を送り出す力が低下するため、動くと息が切れたり、むくみや疲労感が強くなったりします。さらに進行すると、最終的には心不全により死に至ります。
特に重要なのは、心臓の症状が出る7〜10年前に、整形外科領域の疾患として先にサインが現れることが分かってきた点です。
代表的な疾患は次の2つです。
- 手根管症候群
手のしびれや痛みを起こす病気で、アミロイドが手首の靱帯に沈着することで神経を圧迫し、発症します。特に両手に症状がある場合は、「心アミロイドーシス」の初期サインである可能性が高いとされています。 - 脊柱管狭窄症
腰の痛みや下肢のしびれがみられる病気です。背骨の靱帯にアミロイドが溜まり、神経が圧迫されることが一因となり、比較的若い年齢から症状が始まる方もいます。
上記の疾患が合併して現れることもあります。
整形外科の病気と心臓病が関係するという事実はあまり知られていませんが、整形外科と循環器内科の連携こそが早期発見の鍵になります。
近年、心アミロイドーシスの治療は大きく進歩し、アミロイドが作られ、蓄積していくのを抑える治療薬が登場しています。ただし、すでに沈着して心臓がダメージを受けた後では、完全に元に戻すことは難しいため、早期診断・早期治療の重要性が高まっています。
当院では、早期発見の実現に向け、整形外科と循環器内科が連携して、整形外科で異常を認めた場合に応じ迅速に循環器内科へつなぐ体制を整えています。
次の項目に心当たりがある方は、ぜひ一度整形外科主治医にご相談ください。
- 手根管症候群(特に両手)や脊柱管狭窄症の診断を受けたことがある
上記の症状に加えて
- 最近、息切れ・疲れやすさが増えてきた
- 運動すると胸苦しさや倦怠感がある
「年齢のせい」と判断する前に、まずは専門医へ。
早めの受診が、これからの健康を守る最良の一歩です。












