まわりの人たちの幸せな笑顔のために。米盛病院WEBマガジン SmaHapi(スマハピ)まわりの人たちの笑顔のために。緑泉会Webマガジン。

SmaHapi(スマハピ)まわりの人たちの笑顔のために。緑泉会Webマガジン。

2025.09.17(最終更新日:2026.01.16) Dr.畑の 焼酎入門

第37回 麹は好気性菌、酵母は嫌気性菌。混ぜるとどうなる?

焼酎マイスター、焼酎唎酒師、日本酒唎酒師の資格も持つDr.がお届けする鹿児島ならではの焼酎雑学。

皆様、こんにちは。米盛病院消化器外科部長の畑です。
これを書いているのは8月上旬。猛烈な暑さの後の豪雨災害。被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。
焼酎入門第37回が皆様に届く頃には元どおりの生活に戻れていると良いのですが

 

好気性菌と嫌気性菌

さて、今回のテーマは、「麹は好気性菌、酵母は嫌気性菌。混ぜるとどうなる?」です。
皆様は好気性菌と嫌気性菌のことはご存知でしょうか?

 好気性菌は、酸素を使ってエネルギーを得ている菌です。酸素がないと生きていけません。麹カビはこの好気性菌にあたります。

 一方、嫌気性菌は酸素を必要としない菌です。嫌気性菌の中には、酸素があると生きていけない「偏性嫌気性菌」と、酸素があっても生きていける「通性嫌気性菌」があり、酵母は通性嫌気性菌の一種です。

 酸素がある環境では、酵母は酸素を使って糖を分解することもできます。その結果、糖は水と二酸化炭素に分解されます。

一方、酸素がない状況では、酵母は糖を二酸化炭素とアルコールに分解してエネルギーを得るのです。人間は酵母のその性質を使ってお酒を作っているのですね。

 

水の中で麹菌はどうなる?

さて皆様、こんな疑問が湧いて来ませんか?
米麹と酵母に水を加えてお酒を仕込む際、水の中でも酵母は平気ですが、麹カビは生きていけないのではないでしょうか?
麹菌の力で米のデンプンを糖に変え、その糖を酵母の力でアルコールに変える、これが「並行複発酵」です。
では、水に入れられた麹菌はどうなるのでしょうか?
私は答えを知っています。ただ、このままその答えを書いたのでは、面白くありません。
そこで、今流行りのAIであるChatGPTならどう答えるか試してみました。

ChatGPTの答えは以下の通りです。

仕込みの時の麹カビはもう「増やす段階」が終わっている
・麹を仕込む時は、蒸米に麹菌の胞子を撒き、温度や湿度を管理しながら酸素のある状態で麹菌を米の表面に育てます。
・この段階で麹菌は十分に繁殖し、米のデンプンを分解する酵素(アミラーゼ、プロテアーゼなど)をたくさん作ります。
・仕込み時点では麹菌自体の成長はほぼ完了していて、その後は菌糸の活動よりも酵素の働きがメインになります。 

水に入れた後は「麹菌が育つ」のではなく「麹の酵素が働く」
・酵素は菌が死んでも一定時間は働きます。
・仕込み後は米のデンプンが酵素で糖に変わり、その糖を酵母が使ってアルコール発酵します。
・この時、麹菌が酸素不足で増えなくても、酵素反応は進むので問題ありません。後略

 

「焼酎を楽しむ畑先生」 (ChatGPT によるイラスト生成)

くやし~い! ChatGPTは正解を知っていました!
皆様、AIは相当賢いです。どうやったらAIに勝てるか、今晩焼酎飲みながら考えよっと。

 

次回は、「焼酎マイスターだって乾杯はビールでしたい!?~ビールの泡の秘密~」です。お楽しみに

 関連記事

 

焼酎マイスター Dr.畑 

 米盛病院 救急科・総合診療科
消化器外科部長 畑 倫明

焼酎と温泉をこよなく愛する医師。追求心が強すぎて、好きなだけでは飽き足らず、「温泉ソムリエマスター」「焼酎マイスター」「焼酎唎酒師」に続き、「日本酒唎酒師」も取得!

関連記事