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2024.12.24(最終更新日:2024.12.24) お知らせ

大解剖 Red Wing-救急医療用ヘリ レッド・ウイング-

2025年は巳(ヘビ)年です。
ヘビといえば、救急車のマークやWHO(世界保健機関)のマークなどで杖に巻き付いているイラストを見かけたことはありませんか? これは「アスクレピオスの杖」と呼ばれ、医療・医術の象徴として世界的に広く用いられています。

 

 当院救急医療のシンボルマーク(左図)は、薩摩藩の「丸に十の字」マークに、この杖を組み合わせたものです。鹿児島の救急医療を担う一翼になりたいという思いが込められています。

 巳(ヘビ)年最初の今号では、当院救急医療の象徴でもある救急医療用ヘリ「Red Wing(レッド・ウイング)」を改めてご紹介いたします。

 

 南北約600キロと広大で、20を超える有人離島を有する鹿児島県。救急医療の面では不利な点の多い地理的特性上、機動力の高い医療用ヘリの必要性は高いと言えます。
 当院では、鹿児島県の「ドクターヘリ」をサポートする形で地域医療に貢献できればと、2014年に鹿児島県と協定を締結し、救急医療用ヘリ「Red Wing(レッド・ウイング)」の運用を開始しました。

 

 鹿児島県の「ドクターヘリ」出動中、同時にドクターヘリの要請が起こる「重複要請」の際や、多数傷病者が発生する事案などの際、当院の「Red Wing」が、消防要請により正式なドクターヘリとして補完活動を行っています。
年間におよそ250件出動し、多くの命をつないでいます。 

 また、民間ならではの活動も行っています。例えば県本土への搬送のために長時間の痛みに耐えなければならないような離島の患者さまや、急性期治療を終えて地元の病院に転院したいけれども車や船、飛行機での移動が体力的に難しい患者さまを搬送する場合です。十島村や三島村など、個別に協定を締結した自治体等との間でこのような運用を行っています。
 公的な「ドクターヘリ」を要請するような命に関わる重篤な症例でなくても、ヘリで搬送することにより患者さまのご負担を軽減することができます。

 

 現在、民間で救急医療用ヘリを所有している病院は全国で2しかありません。医療を通じて多くの鹿児島県民のみなさまの命と人生に向き合い、幸せな笑顔を見られるように、今後も救急医療用ヘリ「Red Wing」の運用を続けてまいります。

 

【運用】「補完ヘリ」と「民間ヘリ」

【DATA】
全長:12.96m(ローター回転時)
全高:3.4m
最大離陸重量:3,175kg
メインローター直径:10.83m
(アグスタ社ホームページより)

 「Red Wing」には主に二つの運用方法があり、一つは公的な鹿児島県ドクターヘリの「補完ヘリ」として。もう一つは離島や遠方の患者さまで陸路・海路での移動が体力的に難しい場合の「民間ヘリ」としての搬送です。出動要請が入ると医師と看護師、パイロット、整備士の計4名が現場に向かいます。
 機体はイタリアのアグスタウェストランド社製のAW109SPといい、鹿児島県ドクターヘリと同型機です。

 

【航続距離】宝島まで無給油往復

 【算出根拠】
参考文献:アグスタ社カタログデータ
巡航速度:278km/h(150kt)
※離着陸に要する時間を考慮(2分)
※現場天候等による遅延は除く

 飛行距離は、北は福岡、南はトカラ列島の宝島(鹿児島港からおよそ370km)まで無給油で往復する能力を持っています。

 

【スピード】最高速度は時速311km/h

最高速度は新幹線並みの時速311キロ。右図のように鹿屋市なら約10分、甑島なら約20分、屋久島でも30分程度で到達することができます。

 

【YES】当院の救急医療のコンセプト

Red Wing」の機体に描かれている「YES」の文字。これは「YONEMORI EMERGENCY SERVICE(米盛救急サービス)」の頭文字をとったもので、どんな患者さまも「YES!」と受け入れる、そんな思いを込めています。

 

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