2023.01.12(最終更新日:2023.03.10)
【介護の森株式会社】医療事業部 看護課 課長補佐 満 園江さん|米盛病院 民間救急ヘリ 支援者インタビュー
人生に寄り添い、住み慣れた地域で安心して過ごしていただく
民間救急ヘリ「Red Wing」が担う役割の大きさ
2007年に創立しオアシスケアという名称で、訪問介護や通所介護、訪問看護などの在宅サービスや施設サービスを中心とした地域の方々のお役に立つ事業展開をしています。
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今回、米盛病院の民間救急ヘリ「Red Wing」を支援させていただいたのは、私たちができないことを行っていることに敬意を持っているためです。
鹿児島県は、鹿児島湾を囲んで2つの半島に分かれており、さらに離島を有するため南北に約600キロもあります。医療機関は多いですが、救急医療や高度医療は鹿児島市内に集中し、県内における医療格差は大きいように思います。このような状況から、早期に治療することで救える命を繋ぐ、民間救急ヘリ「Red Wing」の役割の大きさを感じていました。
オアシスケアグループは、代表をはじめ、医療に携わってきた職員が多く、医療現場の大変さを実感しています。私自身も、離島で看護師として勤務していた経験があり、ドクターヘリや自衛隊と連携して、多くの命を繋いできました。
早期治療により、後遺症を最小限に止めて社会復帰をされた方々を多く見てきた一方で、制度がまだ十分でなかったために救えなかった命があったのも事実です。そのたびに、もどかしさを感じてきました。
全ての患者さまを受け入れることは、病院や職員の負担も大きく、難しいと思っていましたが、米盛病院の「いつでも、どんな患者さまでも受け入れる」という姿勢はすごいことだと思います。
米盛病院との連携
また、米盛病院は救急だけでなく、退院後の在宅サポートにも積極的に取り組まれており、鹿児島の急性期、回復期を支える重要な存在のひとつだと感じています。
当グループの特別養護老人ホームやサービス付き高齢者住宅などの利用者さまの急変や転倒があった際に、医療に関する相談窓口としてもお世話になっています。
地域の繋がりが心のよりどころに
現在当グループは6法人で構成され、施設が19箇所、サービス事業所が36箇所あり、500名を超えるスタッフが携わっています。
理念として「地域に根ざし、まごころのサービスをお届けします」を第一に掲げており、事業所の多さは、「その人たちが住み慣れた地域で最期まで安心して過ごしていただきたい。それをサポートしたい」という思いからです。
子どもたちは歳を重ねた両親や祖父母を安心できる施設で不自由なく過ごして欲しいと願い自身の生活圏への移住を勧めるケースがありますが、本人にとってそれは本当に幸せなのか疑問に感じることもありました。「自分たちの居場所や存在がそこにある」と感じていただくことが、地域包括ケアにおいて大切であり、地域の繋がりが心のよりどころになると考えています。
- オアシスケア宮﨑(外観)
- オアシスケア宮﨑(内観)
介護業界を憧れの仕事に
介護業界はなくてはならないものだと思いますが、未だにネガティブなイメージもあります。そのため、職員が十分に力を発揮できる環境を整え、業界全体の地位向上に努めていきたいです。特に若い世代の方々に興味を持ってもらい、憧れの仕事にしたいですね。
また、2014年からJICAに採択され日本式介護を海外へ輸出する活動を行っています。コロナ禍で活動がストップしていますが、感染状況を見ながら再開を予定しています。オアシスケアで培った介護ノウハウや日本のおもてなしの精神を鹿児島から世界へ発信できることに喜びとやりがいを感じています。
これからも、その方の人生に寄り添い、生きてきた歴史を受け入れ、その方らしく余生を過ごせるようにスタッフ一丸となってサービスを提供していきたいです。
満 園江(みつる そのえ)
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介護の森株式会社 医療事業部 看護課 課長補佐
1979年生まれ、鹿児島県出身。2000 年に神村学園高等部衛生看護専攻科卒業後、北大阪病院CCU病棟勤務。結婚を機に故郷の宮上病院で勤務し救急医療、慢性期を学ぶ。2013年からオアシスケアグループ通所介護で勤務。2015年11月より訪問看護管理者を経験し、2018 年1 月医療事業部係長就任、2021年6月より現職。