2020.06.24(最終更新日:2021.06.03)
今年の夏はマスクと上手に付き合おう!(前編)~熱中症予防~
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監修:米盛病院 副院長 冨岡譲二 (専門分野)救急医療全般
日本救急医学会専門医/指導医/評議員
・日本臨床救急医学会理事 他 -
新型コロナウイルス感染症に対する「新しい生活様式」が公表され、引き続きマスクの着用が推奨されています。
気温や湿度が上がるこれからの季節。
マスク着用による熱中症のリスクが懸念されています。
熱中症は治療よりも予防が重要!!
メカニズムや危険性を知り、適切な対策を心がけましょう。
目次
熱中症とは?
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暑さが原因で起こるからだの不調の総称です。
梅雨明けや気温が急激に高くなった日、風のない蒸し暑い日、熱帯夜の翌日などに起きやすく、体調不良(睡眠不足・風邪・下痢など)も熱中症リスクを高めます。
症状は、重症度によって3段階に分けられます。
Ⅱ度・・・(大量の発汗が続くことによる)頭痛・吐き気・倦怠感
Ⅲ度・・・(脳の体温調整機能が失われることによる)意識障害・体温の上昇・臓器不全。最悪の場合死に至ることもあります。
マスク着用による熱中症リスク
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通常、季節の移り変わりにあわせ、からだは気温の変化に少しずつ慣れていきます。
しかし、今年は外出自粛で自宅で過ごすことが多く、からだが暑さに慣れていなかったり、運動不足で体力が低下していたりする状態で夏を迎えます。
また、マスクの着用により呼気からからだの熱を逃がしにくくなります。さらに、マスクをしていることで、水分補給の回数が減ってしまうことも懸念されます。
例年以上の「予防」が重要!
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熱中症についてしっかりと理解した上で、感染予防と熱中症対策を両立させることが大切。
今年は、例年の熱中症対策にプラスして、「より一層注意が必要」という意識を持っておくことが重要です。
特に、小さいお子さんは体温調節が上手くできなかったり、高齢者はのどの渇きを感じにくかったりするため、体調により気を配りましょう。

今年の熱中症予防のポイント

→周囲の環境や人との距離に配慮した上で、適宜マスクを外して休憩をとりましょう。
→新型コロナウイルス感染症対策のため、換気は重要です。
一方で、室内温度が上がるリスクもあります。
熱中症は室内でも発生するので、クーラーを有効的に活用しましょう。
→マスク着用時には、激しい運動や作業を避けましょう。
予防策をとっていても、様々な要因で熱中症を発症する場合もあります。
後編では、熱中症が疑われる場合の対処法についてご紹介します。
【後編】今年の夏はマスクと上手に付き合おう!~熱中症対処方法~
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愛用のマスクを着用したり、暑さ対策グッズを活用したりして、予防のポイントを忘れずに、暑い夏を乗り切りましょう!!