2022.04.28(最終更新日:2022.07.04)
りん先生の5分で学ぶ漢方と薬膳のお話 簡単!体質チェック
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漢方診療では、患者さんの体質(=証)を見極めるために、いくつかの指標を用います。 当記事では、その中でも代表的な『寒・熱』、『気・血・水』について、簡単なセルフチェック項目と対処法をご紹介します。 ぜひ参考にしてみてくださいね!
目次
寒証・熱証
体が冷えているのか(=寒証)、熱がこもっているのか(=熱証)をチェックしていきましょう!
寒証
熱証
アドバイス
寒証の項目が多い方:体を温める作用のあるお薬を選択することが多いです。
普段の生活でも、冷たいものの食べ過ぎや薄着は控え、夜には入浴で体を温めましょう。
【おすすめ食材】 体を温める作用のある、生姜やネギ、胡椒、シナモンなどの“陽の食材”
熱証の項目が多い方:体を冷やす作用のあるお薬を選択することが多いです。
普段の生活でも、辛みや甘みのある食材を控えましょう。
【おすすめ食材】 からだを冷やす作用のある、きゅうり、バナナ、大根、トマトなどの“陰の食材“
気・血・水
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気・血・水のどこが不足しているか、もしくは滞っているかを知ることで、不調の原因をさらに探っていきます。
漢方では、気・血・水のバランスが悪くなることで、体に様々な不調が起こると考えられています。
気(き)・・・目には見えない生命エネルギーのこと。自律神経の働きに近い
気虚 気が足りなくなる
アドバイス
気虚の項目が多い方:普段からなるべく無理はせず、休息をしっかりとるようにしましょう。
【おすすめ食材】 気を補う働きがある、なつめ、こうらいにんじん、雑穀、とうもろこし、かぼちゃ、芋類、椎茸、りんご、うなぎ、まぐろ、えび、鶏肉、牛肉など
気滞 気のめぐりが悪くなる
アドバイス
気滞の項目が多い方:ストレスをためず、リラックスできる時間を作ることを心がけましょう。
【おすすめ食材】 気を巡らせる働きがある、ハーブや香味野菜、小松菜、春菊、セロリ、生姜、にら、菊花、みかん、ゆず、ミント、ジャスミン茶など
血(けつ)・・・全身を巡って栄養を与える赤い液体。血液の働きに近い
血虚 血が足りなくなる
アドバイス
血虚の項目が多い方:規則正しい生活や栄養のある食事を心がけましょう。
【おすすめ食材】 血を補う働きがある、なつめ、黒米、黒ごま、黒きくらげ、クコの実、松の実、落花生、くるみ、ひじき、羊肉、牡蠣など
瘀血 血のめぐりが悪くなる
アドバイス
瘀血の項目が多い方:ストレッチなどでこまめに体を動かしましょう。
【おすすめ食材】 血を巡らせる働きがある、黒きくらげ、唐辛子、黒豆、さんざし、ニンニク、らっきょう、酢、黒糖など
水(すい)・・・水分代謝や免疫機能に関わる透明な液体。血液以外の体液全般に相当
陰虚 血虚がさらに進み、水が不足する
アドバイス
陰虚の項目が多い方:汗のかきすぎに注意し、こまめな水分補給を心がけましょう。
【おすすめ食材】 体を潤す働きがある、山芋やオクラなどのネバネバ食材、白キクラゲ、ゆり根、梨、びわ、アーモンドなど
水滞 水のめぐりが悪くなる
アドバイス
水滞の項目が多い方:冷たい飲み物の摂りすぎに注意し、常温か温かいもので水分補給をしましょう。
【おすすめ食材】 水を巡らせる働きがある、ハトムギ、小豆、黒豆、もやし、きゅうり、トマト、とうもろこしのヒゲ、海藻、烏龍茶、プーアール茶など
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いかがだったでしょうか?
実際の漢方診療では、ここでご紹介したもの以外にもいくつかの指標があり、漢方独自の診察所見と併せて総合的に判断し、治療を行なっていきます。もし何かお困りの症状があり、漢方診療にご興味がありましたら、米盛病院へお気軽にご相談ください。