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2019.03.26(最終更新日:2019.03.26) Dr.畑の 湯けむり紀行

第4回「温泉通の好きな温泉とは? vol.1」

 皆様こんにちは、米盛病院外科部長の畑です。Dr.畑の『湯けむり紀行』、4回目です。1年続きました! この調子で来年も頑張ります(笑)。
 さて、今回は「温泉通の好きな温泉とは?vol.1」です。温泉通と呼ばれる人はいったいどんな温泉が好きなのでしょうか?
 実は、まさに十人十色・千差万別です。私が温泉ソムリエの講習会に初めて行ったとき、師範と呼ばれる講師の方がこう言いました。「良い温泉も悪い温泉もありません。全ての温泉に個性があり、誰かにとって良い温泉であっても、それが万人にとって良いと言うわけはないし、逆もまたしかりです」と。しかし、温泉通はやはり「個性の強い」温泉を好む傾向があります。今回はその個性の中でも温泉成分の「濃さ」に注目してみましょう。
 日本中で最も「濃い」温泉として有名なのが、兵庫県にある有馬温泉の「金泉」です。温泉水1ℓ中に温泉成分(主に塩分)が、60g以上入っています。これは、家庭用の浴槽(約200ℓ)だとどれくらいになるでしょうか? 60g×200ℓ=12,000gですので、なんと12kgです! ということは、自宅のお風呂で有馬温泉の塩分濃度を再現しようと思うと、浴槽にバケツ1杯分くらいの塩を入れなければならないことになります。どうです、皆さん、凄いでしょ?
 実は鹿児島にもかなり濃い温泉がたくさんあります。私が訪れた中では「ねじめ温泉ネッピー館」や「隼人温泉浜之市ふれあいセンター富の湯」などは、かなり濃いことで有名です。ともに温泉水1ℓ中の塩分濃度が30gを越えています。自宅の浴槽に6kg以上の塩を入れると再現できます。皆さんは、家庭で再現しますか?
 それとも温泉に行きますか? (笑)
 まだ足を運んだことはありませんが、姶良市加治木町の「ふれあい温泉」、指宿市開聞の「川尻温泉」、阿久根市波留の「グランビューあくね」などが非常に高張(※)です。また、以前私が  連載で触れた「たまて箱温泉」や「桜島マグマ温泉」も十分高張ですよ。高張泉の良いところは、皮膚表面に被膜を作り、湯冷めしにくいことだと言われています。これらのお風呂から上がる時には、シャワーで体についた湯を洗い流さない方がお勧めです。ただ、衛生上の問題が気になる方は、新鮮なお湯が注がれる注ぎ口のお湯を早めに洗面器にとっておいて、浴室から出る時にそれを上がり湯に使ってください。では皆さん、ぜひ「濃い湯」を楽しんでください。体が浮いちゃいそうですよ(笑)。

(※)高張泉:温泉成分濃度が高い温泉のこと


  • ねじめ温泉ネッピー館(南大隅町根占)

次回テーマは、「温泉通の好きな温泉とは? vol.2」です。お楽しみに!

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