2019.03.27(最終更新日:2019.04.15)
第8回 「美肌の湯」
皆様こんにちは、米盛病院外科部長の畑です。『温泉ソムリエマスターDr.畑の湯けむり紀行』の連載も8回目となりました。季節は冬、毎日寒いですよね? しかし、寒い冬こそ「温かい温泉」です!
さて、今回はお待ちかね「美肌の湯」です。温泉ソムリエのテキストには、三大美人泉質として、「炭酸水素塩泉(重曹泉)」「硫酸塩泉」「硫黄泉」が挙げられています。さらに、もう一つ、「アルカリ性単純温泉」を加えて、四大美人泉質とも言われます。効能が分かり易く、入っている間にすぐ実感できるのが、炭酸水素塩泉とアルカリ性単純温泉です。この二つの泉質は共に皮膚のクレンジング効果があり、皮脂や角質を洗い流して、すべすべのお肌にしてくれます。実は、弱アルカリ&炭酸水素塩泉という二つの「美肌泉質」を持つ温泉が鹿児島にはたくさんあります。中でも私が大好きなのが「日当山温泉」です。西郷さんも愛した日当山の温泉に入っていると本当にお肌がツルツルしてくるのが実感できますよ。
ところで、『日本三大美人の湯』というものを皆様はご存じでしょうか? ご興味のある方は、インターネットで簡単に調べられるので検索してみて下さい。その一つに和歌山県の「龍神温泉」があります。一昨年、自宅の奈良に帰った際にお隣の和歌山県の龍神温泉を訪れてみました。入ってみるとさすが「三大美人の湯」、ツルツルです。泉質を見ると、なんとほとんど日当山の泉質と同じではありませんか! つまり、日当山温泉に入っていれば、日本三大美人の湯に入っているのとほぼ同じということです。実は龍神温泉は湧出量がそれほど多くないので「循環型」のお風呂です。掛け流しではないのです。一方、日当山はとても湧出量が多く、全ての温泉が新鮮な源泉掛け流し!これはもう入るしかありません(笑)。なお、日当山温泉の中でも、私のお気に入りは「岩戸温泉」さん。露天風呂もあって最高です。皆様もぜひ訪れてみてくださいね。鄙(ひな)びた感じがお好きな方は「西郷どん湯」や「しゅじゅどん温泉」もお勧めです。
しかし、少し気を付けてもらわないといけないことがあります。お肌がツルツルというのは、お湯がツルツルしている訳ではありません。お湯で、お肌の角質が溶けていくので、「肌が溶けてツルツルする」のです。つまり、入りすぎると角質が取れすぎ、湯上がりのお肌が乾燥してカサカサになります。私の様な乾燥肌でアトピー体質の人間は最も注意が必要です。私の場合、湯上がりでまだ皮膚が湿っている間に、全身に保湿剤を塗るようにしています。皆さんもぜひ保湿剤持参で入りに行って下さいね。
さて、ここで皆様にお知らせがあります。2年間にわたって連載しておりました『温泉ソムリエマスターDr.畑の湯けむり紀行』ですが、しばらくの間、お休みさせていただきます。新たなネタを仕込んでまた再開するつもりですので、それまで楽しみに待っていてください。その代わりと言ってはなんですが、新年度からは『焼酎マイスターDr.畑の焼酎入門』を連載する予定です。「お前は何者だ?」と言う声も聞かれそうですが、昨年1年かけて鹿児島大学の「焼酎マイスター養成コース」で勉強したそのエッセンスを面白おかしく語りたいと思っています。楽しみにしていてくださいね。
次号から新連載『焼酎マイスターDr.畑の焼酎入門』お楽しみに!