2020.01.30(最終更新日:2020.10.05)
人工関節治療の今 ロボティックアーム手術支援システム『Mako(メイコー)』
目次
ロボティックアーム手術支援システム『Mako(メイコー)』について
米盛病院では、ロボティックアーム手術支援システム『Mako(メイコー)』を導入しています。
Mako は、整形外科の分野において日本で初めて承認されたロボティックアーム(以下、ロボットアーム)手術支援システムで、2019年6月に人工股関節全置換術(THA)で、同年7月に人工膝関節全置換術(TKA)で保険適用となりました。海外では20万例を超える手術がすでに行われ、国内では当院を含む6施設が先行導入しています(2019年10月時点)。
当院では2017年より導入について慎重に検討し、担当の医師や看護師、臨床工学技士などが研修を重ね、2020年1月から臨床使用を開始しました(2020年1月6日には、大阪、兵庫、東京、神奈川の病院に次いで5施設目、九州・沖縄地区で初となるMako の人工関節置換術が行われました)。
Makoの特徴
術前にCT検査で患部の状態を詳しく調べ、専用ソフトにより主治医が骨を削る範囲や設置する人工関節のサイズ選定を含めた手術計画を確認・調整します。手術では外科医がロボットアームを操作し骨を削り、人工関節の設置を行います。ロボットアームが自動で手術を行うのではなく、外科医の手術操作を安全に正確に制御するのがMako の役割です。
ロボットアームが手作業特有の微小な動き、計画外の動きを制御するため、血管・神経・靭帯など軟部組織への不意な損傷、骨の削りすぎ、削る角度の誤差を低減します。Mako を用いることによって、人工関節の設置精度の向上(※1) や疼痛の低減(※ 2)、患者満足度の向上(※ 2)などのメリットが期待できます。
現在、日本では年間約8万例の人工膝関節置換術、約5万例の人工股関節置換術(全置換・部分置換含む)が実施されています。今後は高齢者人口の増加に伴い、これらの治療のニーズがさらに増えていくことが予想されます。
Mako を使った人工股関節置換術、人工膝関節置換術を希望される患者様は、まずは当院整形外科の外来にてお気軽にお問い合わせください。
人工関節置換術とは?
人工膝関節全置換術(TKA)
加齢、外傷などの原因により、膝関節が変形して生活に支障が出ている患者様に対して行う治療のひとつです。膝関節を金属やポリエチレンなどで作られた人工関節で置き換える手術です。
■ 人工膝関節全置換術(TKA のイメージ図)
※ほかに人工膝関節単顆置換術(UKA)があります。
こちらは膝関節の内側または外側のみを人工関節で置換します。(Mako 適用外)
人工股関節全置換術(THA)
先天的な要因や加齢などにより、股関節の軟骨が摩耗して股関節の適合性が悪くなり歩行障害などを引き起こしている患者様に対して行う治療です。
■ 人工股関節全置換術(THA のイメージ図) (セメントレス固定の場合)
(※1) Hampp EL, et al, Robotic-Arm Assisted Total Knee Arthroplasty Demonstrated Greater Accuracy and Precision to Plan Compared with Manual Techniques., The Journal of Knee Surgery. 32(3),
239-250 (2019).
(※2) Marchand RD, et al. Patient Satisfaction Outcomes after Robotic Arm-Assisted Total Knee Arthroplasty: A Short Term Evaluation. The Journal of Knee Surgery. 30, 849-853 (2017)
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