2022.11.28(最終更新日:2024.02.28)
~その5~ お題「歩行時の転倒予防」
お題「歩行時の転倒予防 ~脚を上げて歩くためのストレッチ&トレーニング~」
監修:米盛病院 理学療法士 白木 信義
転倒とは
「自分の意思からではなく、地面またはより低い場所にひざや手などが接触する事」と定義されています。
介護や支援が必要となった主な原因として、骨折・転倒は全体の約12%の割合を占めています(厚生労働省「国民生活基礎調査(平成25 年)」)。
転倒の予防は2種類
原因は大きく2 種類に分かれます。
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1つは、加齢に伴うからだの変調や、筋力・バランス機能の低下、服用している薬の影響などの身体的要因が主となる「内的要因」です。
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もう1 つは、敷居や電気コードなどの歩行を阻害するような主に住環境が影響する「外的要因」です。
骨粗しょう症をともなう方が転倒したら…
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骨粗しょう症の方が転倒した場合、転んで尻もちをついた程度でも背骨が変形する「脊椎圧迫骨折」や、太ももの付け根周辺が骨折する「大腿骨頚部骨折(大腿骨近位部骨折)」(あんべがわるい時にのリンクを貼っていただきたいです^^)などに至ることもあり、骨折箇所によっては歩く能力を回復するのに時間がかかったり、寝たきりの原因になったりします。
(はじめに)共通の留意事項
- 各運動5秒×10回×3セットを目指します。
- ご自身の身体の状態・体調に合わせて秒数・回数・セット数の調整をおすすめします。
- 全ての運動は動作後、ゆっくり戻すよう意識して行います。
脚を上げるための運動
①太もも裏のストレッチ
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イスに腰掛け、片脚を伸ばした状態でおじぎをします。
②ひざ伸ばし運動
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片脚を伸ばし、脚を持ち上げる動作を行うことで、ひざを伸ばす筋肉を強くします。
踏ん張る力を強くする運動
③足指グー・チョキ・パー
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足の指で、じゃんけんのグー・チョキ・パーをつくります。
チョキは親指のみを握るパターンと、親指以外を握るパターンで行います。
段差などでつまずきにくくする運動
④かかと&つま先上げ
立った姿勢で、かかと・つま先を目標回数ずつ上げます。
バランスに不安のある方は、イスや壁につかまりながら実施してください。
立つ・歩く力を強くする運動
スクワット
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お尻を突き出すようにひざを曲げて、ゆっくり伸ばします。
片脚立ち
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立った状態で片脚を浮かせます。
バランスに不安のある方は、イスや壁につかまり、不安定にならないように実施してください。
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米盛病院 理学療法士 白木 信義
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ご紹介した運動はすべてを実施する必要はありませんので、ご自分の体力に合わせて、1種類からでもいいので始めてみてください。
「継続すること」がまずは大事になりますので、無理のない範囲から始めて運動する習慣を身につけていきましょう。

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