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2021.12.10(最終更新日:2023.01.13) 医療のお話

冬に気をつけるべき 家庭の救急医学

【監修】 米盛病院 副院長 救急科 冨岡 譲二

本格的な冬を迎える今こそ気を付けたい疾患や対処の仕方を紹介します。
しっかりと予防して、年末年始を笑顔で過ごしましょう。

 

目次

 

脳卒中・心筋梗塞

 急激な温度差をなくす

 

冬場に多いからだの不調の中で、命に関わるものとしては、脳血管疾患や、心臓疾患があります。なぜ冬に多いのかというと、寒いところでは手足の血管が縮まるため血圧が上昇し、それによって脳や心臓の血管に負荷がかかるからです。 

脳の疾患に関しては、一般的には冬場に多いのが脳出血、夏場に多いのが脳梗塞です。夏場は、汗を多くかき、体が脱水状態になることで血液がドロドロになりやすく、脳の血管が詰まりやすくなります。
一方冬は、寒くて血圧が上がることで、脳出血を起こしやすくなります。

これらの疾患の予防法は、急激な温度差をなくすことです。たとえ屋内でも、トイレや風呂場など急に寒いところに出ると、血管がきゅっと締まり、血圧が急激に上がることがあります。

予防としては、トイレに小型の電気ヒーターを置いたり、入浴前にシャワーを出しておき浴室を温めたりして温度差をなくすようにすることが有効です。

早朝のシャワーにも十分気を付けてください!

 

年末年始ならではの疾患・事故

 気の緩み・油断・無理な行動

 

12 月に入ると、急性アルコール中毒や飲酒運転による交通事故、喧嘩によるけがなどが増えます。また12 月中旬は、年末の大掃除による転倒や屋根からの転落、あるいは重いものを運んで腰を痛めるといったケースが増加します。

大みそかからお正月にかけては、年越しそばによるアレルギー、餅をのどに詰まらせることによる窒息などに注意する必要があります。小さいお子さんや飲み込みが難しい高齢の方には、窒息のリスクがあるものを避けるか、小さく切ってあげるなどの対応をしましょう。
もし、のどに詰まらせた場合は、応急処置が出来る方は、腹部突き上げ法を試みてください。息をしていなかったら胸部圧迫(心臓マッサージ)をして、救急車を呼び、救急隊の指示に従います。

これから人に会う機会も増えると思いますが、感染対策をしっかり行い、笑顔で年越しを迎えて下さい。

年末の大掃除は、ご家族で協力して無理なく行ってください!

 

  救急車が到着するまでに家族がやっておくべきこと

まず、意識があるかどうかを確認してください。意識がない場合は、応急手当を習ったことがある方であれば呼吸の有無を確認し、息をしていなければ胸部圧迫を行いましょう。

脳卒中の場合、意識を失うと嘔吐し、嘔吐物をのどに詰まらせる方も多いため、体を少し横に向けます。
胸が苦しい場合は、洋服を少し緩めて安静にさせます。ニトログリセリンなど携帯薬を持っていたらそれを飲ませます。

このような対応ができなくても、119 番通報をすると、救急隊が電話越しに指示をしてくれるので、それに従いましょう。そのため、119 番通報後も、必ず電話が繋がるようにしておくことが大切です。

 

一酸化炭素中毒

 部屋の閉め切り

 

一酸化炭素中毒にも注意が必要です。最近は気密性が高い家が多いため、灯油やガスなどを燃やす暖房器具を使う際には、1 時間に1 回は十分に換気を行ってください。
一酸化炭素中毒は軽度だと頭痛やめまい程度で済みますが、重度になると意識を失ったり、後遺症が残ったり、死亡するケースもあります。

最近はコロナ禍の影響もあり、キャンプが流行っています。テント内でガスランタンを使う際は、火災や一酸化炭素中毒に十分気を付けましょう。キャンプでは、ガソリンや着火剤によるやけども起こりやすいので注意が必要です。

意識的に換気して、爽やかな外気を室内に取り込みましょう!

 

呼吸器系感染症

 基本的な感染対策の継続

 

寒くなると呼吸器系の感染症が増加します。
ウイルスは空気が乾燥した状態がもっとも感染しやすいといわれています。鼻やのどの粘膜は湿り気があることによって感染、病原体の侵入を防ぎますが、乾いてくると病原体が体内に入ってきやすくなります。

予防法としては、現在皆さんが新型コロナウイルス感染症対策で実施している手指消毒やマスク着用といった一般的な感染対策。
帰宅したらまず手洗い、うがいをすることを励行してください。これらの対策を実践することでインフルエンザウイルス感染が激減したのは皆さんご存知の通りです。

手指消毒、マスク着用で感染症から身を守りましょう!

 

やけど

 流水で冷やす

 

ストーブへの接触や、やかんのお湯によるやけどなども少なくありません。フリース生地に代表される化学繊維は着火しやすいので、火のそばには近寄らないようにしてください。

やけどは、熱による影響が皮膚のどの部分まで及んでいるかによって、1度・2度・3度(※)に分類されます。3度が一番重症ですが、神経までダメージを受けているため痛みを感じないことが多く、痛くないからといって軽いとは限りませんので、やけどの症状が疑われ、不安に思われたら救急車を呼んでもらって構いません。
また、顔や指などのやけどは、後遺症を残す可能性があるので、軽く見えても病院にかかることを勧めます。

もう一つやけどで怖いのが気道熱傷です。熱い空気を吸い込んだ場合、のどや肺が焦げ、のどが腫れてきて窒息したり、肺がやられて呼吸が出来なくなったりします。気道熱傷は皮膚にやけどがなくても非常に危険ですので、必ず病院を受診してください。気道熱傷を疑うサインは、のどがかれる、がらがら声になる、鼻毛が焦げている、すすが付いている、顔面が焼けているなどです。

1度は赤くなってひりひりする程度、2度は水ぶくれが出来ている状態。3度は皮膚の障害が強く、硬くなって触っても痛みを感じない。

 

 やけどの対処法

まずは流水で1時間ほど冷やします。氷を当てる際は、患部に直接当てないようにします。小さいお子さんの場合は、体温が下がる場合があるので、冷やしすぎないようにしましょう。

やけどは、実は目に見えなくても進行します。やけど後数時間は症状が進行するため、進行を止める意味でも冷やすことは有効です。また、冷やすことによって痛みも和らぎます。水ぶくれは破らないようにしてください。

 

24時間救急相談ダイヤル #7099について

不安に感じる症状(頭痛・胸痛・胸の苦しさ等)、病院に行った方が良いか判断に迷う時など、まずはお電話ください。
ご相談は365日応対いたします。

 

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