診療科案内

先進的な機器の導入で、より安全な脊椎治療を実施します

先進的な機器の導入で、より安全な脊椎治療を実施します

シアティックムーブでシームレスな術中撮影を実現

 当院では、日本で初めて自走式モバイル3DCアーム装置「CIARTIC Move(シアティックムーブ)」 を導入しました。手術室で透視撮影を行う際に使用する機械ですが、特に当院では脊椎外科のインプラントを用いる手術支援を中心に大きなメリットをもたらしています。
 シアティックムーブは従来のCアームとは異なり、機械自体が多方向に自走が可能なセルフドライビング機能を持っています。
また、アームの位置を記憶するポジションアシスト機能を有しており、ボタンひとつで記憶されたポジションにアームが動いてくれます。こうした機能は、操作するスタッフの負担を軽減することに一役買ってくれそうです。
 また、ポジションアシスト機能により、位置合わせの不要な照射が減ることが期待されます。さらにシアティックムーブは手術室間を移動できるので、複数の手術室で術中3D 画像を撮影することが可能となりました。この画像を用いたナビゲーション手術は、医療者の放射線被ばくの低減にもつながると考えています。
 脊椎外科以外においては、例えば骨盤外傷の手術で骨折部分がしっかり整復されているかどうかを確認したり、関節周辺の細かい骨の状態を見たりする際に3D 画像をチェックできるのは大きなメリットです。血管外科手術などでも大いに役立つ高性能な機械。使用領域がすごく幅広いのも大きなメリットのひとつです。

ロボット活用で手術の精度と安全性がさらに向上

 また、当院では、脊椎用ナビゲーションシステムの更新と同じタイミングで脊椎手術用のロボットシステム「Cirq(サーク)」を九州で初めて導入しました。このサークは、ナビゲーションシステムを駆使してスクリューを正確に配置するための支援を行います。ナビゲーションで決定したスクリュー位置にロボットアームが正確に動いてガイドを固定してくれるので、そのガイド越しにスクリューを打つことができます。サークは頚椎手術にも使用することができるため、これまで以上により安全な手術が行えるようになると期待しています。

多様な手技や新機器を活用し最善の脊椎治療に努める

 

 当院整形外科の脊椎グループでは、主に高齢の患者さまに対する低侵襲の経皮的椎体形成術BKP※1 や、ステントを使用するVBS※2といった治療、内視鏡を駆使した治療も積極的に行っています。また、脊椎外傷や頚椎損傷などの緊急手術にも対応するほか、合併症を伴う化膿性脊椎炎の患者さまなどにも対応しています。さまざまな治療方法を駆使し、新しい機器を活用しながら、患者さまに最適の治療を実施しています。
 2014 年の移転開院から10 年がたちました。その節目に、次の10 年を見据えて、モバイルC アーム・ナビゲーションシステム・脊椎手術用ロボットといった医療機器をバージョンアップすることができました。これらを活用し、今後も引き続き患者さまに良質で高度な医療ができるように努めてまいります。

※1:骨折した椎体にバルーンを挿入し、膨らませることで骨折部分をもとの位置に戻し、空いた空間にセメントを注入して骨を再形成する治療
※2:同じく空いた空間にステントを留置して補強してからセメントを注入する治療

シアティックムーブで得た情報をナビゲーションシステムに取り込み、サークを動かす

シアティックムーブで得た情報をナビゲーションシステムに取り込み、サークを動かす

  • 監修:鈴木 勝

    副院長・特定行為研修センター長(整形外科/脊椎グループ)

    • 日本専門医機構認定整形外科専門医
    • 日本整形外科学会脊椎脊髄病医
    • 日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医
    • 日本脊椎脊髄病学会・日本脊髄外科学会 脊椎脊髄外科専門医
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